こんなに損!? アメリカの年金

10月3日の記事 アメリカの年金、額はいくらから? で、1955年生まれの人が62歳、66歳(満額)70歳(3割増し)の時に受けるソーシャル・セキュリティの額を試算してみました。

受けるタイミングをいつにするのかで、生涯に受けるソーシャル・セキュリティの額は数万ドルちがってきます。今回は「判断を誤ると、こんなに損!?」というお話です。

ソーシャル・セキュリティ(老齢年金)を受け取ることができる最低年齢は62歳ですが、62歳になったからといってさっそく受給を開始すると、長期的に見た場合非常に損な結果になりかねません。

Full Retirement Age(満額のソーシャル・セキュリティの額:生まれた年により決まり、65歳から67歳の間)以前に受給を開始すると、受給額は減額された年金になります。そしてこの減額は一生、年金を受け取る間ずっと続きます。

安易に開始してしまってから、ちょっと受給を止めたいと思った場合、12ヶ月以内であればそれまで受けた全額を払い戻して、受給の開始を無かったことにできます。くれぐれも12カ月以内ですよ。

それ以降はもうやり直しできません。受給開始して12ヶ月が過ぎたら、後悔先に立たず。

減額された額が少なすぎるので、やっぱりもう少し待ってから受給をしたいと思ってもやり直せません。とりあえず62歳で受給を始めたけど、63歳になったらパートの収入が入るようになったので、しばらく受給をストップしたいと思っても、それもできません。

かと言って、Full Retirement Age の65歳から67歳まで待ってからソーシャル・セキュリティを受け始めますと、それ以降は(少なくともW-2ベースでは)労働収入は得られなくなります。

上を考えますと、受け始めるのを何歳にするかを決める上で、ソーシャル・セキュリティの総累積額を試算してみるのが1つの基準になります。

62歳で受け始めた年金の累積額と66歳、70歳の累積額がほぼ一致するのは自分が何歳になった時か、試しに計算してみるのです。

上の1955年生まれの方で計算しますと、どの年齢の累積額もほぼ一致するのは79歳4ヶ月になりました。これ、実は私の場合も試算してみたのですが、同じです。70歳から受け始めたソーシャル・セキュリティの累積額が62歳からの累積額を追い抜くのが79歳と4ヶ月でした。79.3歳・・・

79.3歳って確かアメリカ人の平均寿命でした!?

世界の各国別平均寿命ランキング(男女総合・男・女)

私の勘ですが、これって偶然じゃないと思います。なるほど、SSA(米国社会保障省)はアメリカ人の平均寿命を基準に計算しているようです。

とうことは、79歳4ヶ月以上長生きする自信がある人は、70歳から受給した方が79歳以上になった時に、そしてそれ以降ずっと、より多くのソーシャル・セキュリティを受けられると。

62歳から受ける1つの特典は限度額以内であれば生涯働けるとうことです。

労働してまで稼ぎたくないけど、権利収入・不労所得があって62歳以上、66歳以上、70歳になっても年金以外の収入があるというかたは、どちらの選択もすべて可能ですね。

※ これから日本の年金を受け始めようという方で、日本・アメリカの両方の年金を1ペニーも減額されることなく、しかも非課税で受けたい方は、私まぁこまで(連絡先は右サイド)ご相談下さいませ。 これからあなたが受けとる日本の年金が「WEP減額対象の非該当」となる申請を、SSA(米国社会保障省)に対して行います。