任意加入(国民年金)- 海外在住者が知っておくべきこと

海外在住で国民年金の任意加入をしている方は、保険料「かけ捨て」になることがありますよ、と書きました。

任意加入で、ソーシャルセキュリティは減らされます!

先月のセミナーで「あの~、任意加入って何でしょう?」と質問された方がいらした(!?)ので、ちょっとこれ書いておきます。

海外に在住している方の任意加入(国民年金)の手続き

海外に居住することになった時は、国民年金は強制加入被保険者ではなくなりますが、日本国籍の方であれば、国民年金に任意加入することができます。

1 手続できる人とは、

まず、誰が任意加入できるかと言いますと、

こういう人 手続できる窓口
これから海外に転居する人 お住まいの市区町村窓口
現在海外に居住されている人 日本国内における最後の住所地を管轄する年金事務所または市区町村窓口
日本国内に住所を有したことがない人 千代田年金事務所

この3番目の「日本国内に住所を有したことがない人」って、みなさん「え?」と思われるかもしれませんが、そうです。 過去に一度も日本に住所を置いたことがない方でも、日本国籍を有していれば任意加入することができます。

ま、めったにいませんけどね~

私は15年前、それまで勤めていた会社を突然レイオフ(解雇)されたとき、アメリカの401Kにはまったく期待はできないと判断して401Kを全解約。 そのお金で日本の実家の住所で国民年金の任意加入をしました。 上の2番目ですね。

ちなみに保険料は1年分をまとめて納付すると割安になります。 この判断は間違ってなかったなと我ながら感心しております。

2 保険料の納付方法は?

保険料を納める方法は、国内にいる親族等の協力者がご本人のかわりに納める方法と、日本国内に開設している預貯金口座から引き落とす方法があります。

また、任意加入被保険者も将来受け取る年金額を増やすことができる付加保険料を納めることができます。詳しくは、それぞれの窓口でご確認ください。

なお、海外の大学等に留学した場合には学生納付特例制度(学生の方で保険料納付を猶予する制度)は利用できません

3 将来、年金にはどう反映されるの?

任意加入被保険者も国内の国民年金第1号被保険者同様、受給要件を満たした場合、保険料納付済期間に応じた老齢基礎年金を受け取ることができます。(任意加入しても保険料を納めない場合には、年金額には反映しません。)

また、任意加入したうえで保険料を納めることで、海外在住期間に死亡したときや病気やけがで障害が残ったときに遺族基礎年金や障害基礎年金が支給されます。

4 日本に帰国した時はどうしたらいいの?

任意加入被保険者の方が帰国し、日本国内に住所を有した場合(住民票への登録)、国民年金は強制加入被保険者となります。 ですが何もしないで自動的に強制加入にはなりません。 転入したところの市区町村の役所に行って手続きして下さい。

ご注意

・ 一時帰国などで短期間だけ国内に住所を有した場合(住民票への登録)でも、その期間については強制加入被保険者となりますので、手続きが必要になります。

・ 任意加入の際に、付加保険料や口座振替による納付を申し出ていた方が、強制加入後も継続を希望される場合は、強制加入の手続きの際、再度申出をしていただく必要があります。

※ これから日本の年金を受け始めようという方で、日本・アメリカの両方の年金を1ペニーも減額されることなく、しかも非課税で受けたい方は、私まぁこまで(連絡先は右サイド)ご相談下さいませ。 これからあなたが受けとる日本の年金が「WEP減額対象の非該当」となる申請を、SSA(米国社会保障省)に対して行います。