4月、日本では多くの新社会人がスタートをきりました。
新しいスーツを着て出社した新卒の若い方、まずはお給料の振込先銀行口座の指定やら社員証の為に写真を撮ったり、最初の週はこいう事務上の手続きで過ぎていくものです。 同時にまた「企業年金に入るか?」「組合は?」といった決断も迫られることになります。
こんな話、アメリカに住んでいる皆さんにとっては何の関係もないように聞こえますが。
実は、アメリカに住んでいてこれから日本の年金の手続きをしようか、という方々の中に、ご自分が過去に企業年金に加入していたこと、企業年金の「年金払い退職金」の受給資格を知らない方があまりにも多いので、今日はその企業年金の話をしたいと思います。
いやいや、企業年金だなんて、それは大きな会社に勤めてた人限定でしょ?
と一蹴しないでくださいね。 たしかに日本の大企業だと企業年金制度があったところは多いのですが、中小企業であっても有志の中小企業経営者が集まって連合会をつくり、「中小企業年金連合会」の年金制度に加入していた事業所もありましたので、ここでは他人事だと思わないで、まあ話を聞いて下さい。
新入社員の場合は入社時に決定します
会社の一員として職場に迎えられたとき、まずは皆さん経理上の手続きをしますね? お給料の振込先銀行口座の提示などがこれにあたります。 遠い昔のことで現金が給料袋に入ってた、という方はこれはお忘れ下さい。
昨今の新入社員は、入社と同時に「企業年金に加入する」「組合に加入する」などの選択があります。
現在アメリカに住んでいる方で、そろそろ年金のお手続きをしようか(?)という60歳の皆さまの場合、お勤めだった会社に企業年金制度がある場合には、無条件で強制加入となっていました。 ほぼ間違いなく。
企業年金制度に加入する・しないの選択肢はなかった
のです。 正社員の全員が加入する強制的な制度でした。
さて、企業年金の年金制度には、退職時に一時金として受け取るのか? あるいは60歳になってから年金の形で退職金を分けてしはらってもらうのか? 2つの受け取り方法があります。
退職時にまとまったお金を受け取る(これが一般に言われている「退職金」)仕組みを選択しても良いのですが、退職時にこの退職金を少しだけ頂いて、その後「年金払いの退職金」のことをすっかり忘れて60代を迎えている方が、このアメリカになんと多いコトか!!
私に言われて初めて、
企業年金? なんですか? それは?
とおっしゃる方がヒジョ~に多い!
こういう方在米邦人は、日本の企業さんにとっては良いカモです。
ご自分が日本でお勤めだった会社に企業年金制度があったかどうか? まず調べましょう。 退職時に渡された最後の給与明細などモロモロの書類をとってある(!)という奇特な方がいましたら、その内容をチェックしてみて下さい。 「企業年金積み立て」とか「退職年金保険料」などの欄があるかどうか? 当時のお給料から天引きされていないかどうか? 要チェックです。
もし退職時に一時金を受け取ったような。。。という覚えがある方も、年金払いの退職金を希望していなかったかどうか? 再度チェックして下さい。
退職金がある会社だったのか? 連合会に移管されていないか?
アメリカに住んでいて60歳以上の方々にありがち、とういか可能性として高いのが、
企業年金制度があったのだが、「退職時に人事労務担当者から説明を受けていない」というケース。 あるいは、会社からはきちんと説明があったが(失礼ながら)本人が覚えていないというケース。
こういう場合はもう仕方がない。 私が調べます。
企業によっては、2003年~2004年ころに企業年金制度そのものを企業年金組合連合会に加入者記録ごとすべて移管しているところもあります。 この場合にも私が調べます。