サイトアイコン アメリカに住んでいるからもらえる日本の年金

年金受けるのに銀行口座が無い!? それはアカン・・・ 

海外に住んでさえいれば、たとえ南極であろうと日本の年金は受けられる。 だって年金を受けられる資格期間の1つとして

「日本国籍を有するまま日本国内に住所を有さない期間」があるのですから。

さらにもとは日本国籍保有者であった者が後にアメリカの市民権をとったとしても、その後の期間にソーシャル・セキュリティ税を支払っていれば日本の年金を受ける資格期間に合算されます。

極端な例ですが、アメリカ生まれのアメリカ人女性で日本には1ヶ月ほど滞在しただけ、という方が現在日本の年金を受給しています。 私のクライアントです。

この女性の夫(アメリカ人)が2年間日本で駐在員として働いていたからです。(第3号被保険者という資格)

このアメリカ人女性は、30年前に日本に駐在員としてやってきたのですが、ちょうどその時期が梅雨どきでした。 「ここには住めない!」と夫を単身で日本において、子供とともに早々とアメリカに帰ってしまいました。 日本滞在期間はわずか4週間。

しかしながら、夫の勤め先は彼女を配偶者・第3号として日本の厚生年金保険制度に加入させていました。 彼女には2年の厚生年金加入期間があります。 興味のある方は、キーワードまたはタグで「第3号」を検索して、ほかの記事も読まれて下さい。

話はそれましたが、南極に戻りましょう(そこ?) 実際に南極で年金を受け取ることは物理的に無理と思われます。 南極に銀行が無いからです。

日本年金機構・外国送金部では、年金を各国の金融機関に送金します。 アメリカのソーシャル・セキュリティのようにチェック(小切手)で海外へ郵送という手段はありません。 従いまして、日本の年金を受けるには絶対に(!)銀行口座かほかの金融機関の口座が必要です。

これを力説する時、私は過去15年間の年金記録の復旧作業の中で決して忘れることができないクライアントがいます。

事件は、このクライアントが私の事務所へきて契約を交わし、当然最初は日本年金機構のデータベースには存在すらしなかった年金記録を数か月かけて(費用も労力もごっそりかけて)復旧させた後、その年金機構のデータベースを訂正させた後に起こりました。

日本年金機構のデータベースの年金記録を訂正させました、という朗報をもらってクライアントはなんと(!)たった1つもっていた銀行口座を解約してしまったのです。

???

実はこの方、50歳すぎて観光ビザでアメリカに入国したというまあ~、珍しい日本人でした。 当時70代でしたから、20年間不法滞在していたことになります。 その間に弁当屋の仕込みや配達などの仕事をして、手当はすべて現金で受けていました。

ほとんどの収入は現金で、これまた不法で賃借しているアパートメントの一室に保管していたと言います。

私は以上を伺った上で、この依頼を受けました。 「不法滞在者は年金を受け取れない」という法はありません。 また、アメリカ市民権は当然もっていませんから、事実上このクライアントは日本国籍保有者です。

日本では18歳から働いて職歴が30年以上も有り、かつ日本国籍のままアメリカに長く住んでいるのですから、年金受給資格は充分にあります。

事務所にきて頂いた時にしっかり銀行口座も写真付きID、とはいっても期限切れの日本国パスポートは確認しましたので、私が代理人としてこの方の年金請求手続きをするにあたっては何の問題もありませんでした。

それなのになぜ、そのタイミングで銀行口座を解約したのでしょう?

銀行口座に入金されるべき、第一回目の年金総額は8万ドルでした。 そうです。 既に70歳を過ぎていましたので、満60歳から受けられたはずの過去20数年分の年金が全額一度に送金されるからです。 ましてや日本での厚生年金保険の加入期間が30年もある方です。 8万ドルくらいかるく超えます。

 

このクライアントは、「そんな大金が不法滞在してて身分が不詳の自分の口座に入ったら、銀行はマネーランドリング調査をする義務があり、また連邦政府・歳入庁(IRS)が動きだす」と判断したそうです。

実際本人は上のように整然と説明できた訳ではありません。 よくよく話を伺ってその断片をつなぎ合わせたところ「どうも不法滞在していることが政府に知られてしまう」と漠然と思ったと。 そういう心配をし始めたら、怖くなって口座を解約したと。 なにより、一番恐れているのは「そしたら、日本に強制送還されるのではないか?」でした。

「で、どうやって年金を受け取るつもりですか?」と伺ったところ、

日本を出る時に残してきた銀行口座がある! とシレッといいました。

そんなもん、とっくに凍結されてるにきまってるだろ! 凍結されてないとして、どうやってその口座に入ったお金をアナタが受け取れるんだ!?

と怒鳴りたいところをグッとこらえて、やんわりと質問したところ、「まあ、それはどうにかなる・・・」と答えたまま、詳しいところは説明してくれません。

依頼を引き受けた手前、どうしてもこの方に年金を受けて欲しかった私はしょうがなく日本の銀行に照会をかけ、現在この人の口座がまだ活きているかどうか確認をとりました。 が、やはり凍結されていました。

20数年前ならまだしも、現在は日本でも銀行口座を新たに開設するにはまず、本人が物理的に日本に在住していなければなりません。 無理です。(1980年代くらいまでは、安っすい印鑑1つ有れば架空名義でも開けられたんですけどね)

かと言って、アメリカの銀行に新たに口座を開けることも不可能です。 これも20数年前なら社会保障番号無しでも日本のパスポート1つで口座があけられたんですけどね。

このクライアントは過去15年間で最も労力もお金も時間も費やしたトップ3に入ります。 が、報酬料を1ドルも受け取ることもなく、契約を解除せざるを得ませんでした。

この方がその後どうなったか? 想像におまかせします。

※ これから日本の年金を受け始めようという方で、日本・アメリカの両方の年金を1ペニーも減額されることなく、しかも非課税で受けたい方は、私まぁこまで(連絡先は右サイド)ご相談下さいませ。 これからあなたが受けとる日本の年金が「WEP減額対象の非該当」となる申請を、SSA(米国社会保障省)に対して行います。
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