つい6年前まで、Medicare と Medicaid はては Medi-Cal まで、とにかくどれが何なんだか? まったく区別がついてなかった私。
はっきり6年前と言える理由は、その6年前にカリフォルニア州で保険を売るライセンスを取ったからなんですが、2年ごとの更新が今年で3回目だから。
なぜこの資格を取るハメに? そもそも、
「日本の社会保険労務士の仕事って、アメリカではどんな資格をもった人が相談にのっているのだろう? ソーシャル・ワーカー? 税理士? 弁護士? どれも違うような気がする・・・」
と思ったのがきっかけ。
社会保障全般に関することはすべて、保険代理店の有資格者がおこなっているのでした。
保険のライセンス? あんなの、2週間くらいテキストで集中して勉強したらとれるよ!
と言ってくれた知人に感謝(!?) ですがテストは英語で行われます。 私の場合はネットでクラスをとってから合格するまで6週間もかかりました。 それでもめでたく、下の4つのライセンスを取得しました。
- Accident & Health Agent
- Casualty Broker-Agent
- Life-Only Agent
- Property Broker-Agent
前置きが長くなりましたが、ようやくメディケアの話に入ります。
65才以上の高齢者と障害者のための医療保険で、フェデラル(連邦政府)が運営する制度です。 メディケアに加入できる人とは:
- 65才以上で、アメリカ居住5年以上の、アメリカ市民権または永住権保持者
- 65才未満の身体障害者で、一定の資格を満たす人
- 末期の腎臓病またはルーゲーリック病(Lou Gehrig Decease – 筋萎縮性側裂索硬化症)の罹患者
メディケアには次の4つのパートがあります:
パートA:入院費用をカバーします
パートB:入院以外の外来医療サービスをカバーします
※10年以上のSSA制度の加入期間(クレジット)が無い方は年数に応じて有料。
ということは、ほとんどの方にとってパートAは65歳になると必ずついてくる、日本でいうところの強制加入健康保険となります。
65歳より前から既にソーシャル・セキュリティの老齢年金(リタイアメント・ベネフィット)を受け取っている方々には自動的に、パートAとパートBのIDカードが送付されてきます。
次に、
パートC:メディケア・アドバンテージ
Medicare Advantage Planです。 何がアドバンテージなのかと言いますと、パート A や B だけでは受け付けてくれないプロバイダー(医者や医療機関)に HMO や PPO などのネットワークを通してかかることができます。 したがって、パートCは民間の保険会社が代行して提供しています。
この辺がなんでもお金がものを言うアメリカらしいところです。 国の社会保障がほとんど何もないので民間が請け負うと。
ということは、65歳の時点で現役勤労者か、あるいは働いていなくても以前から保持しているHMOやPPOの健康保険を持っている方にはパートCにあえて加入する必要が(一般的には)無いと言えます。
ただ、民間の保険会社が提供するパートCのプランによっては、海外での医療もカバーするところがありますので、日本に一時帰国される方やリタイア後に海外旅行をとお考えの方はもしもの場合も考えて、各社のプランを比較検討することを薦めます。
※なぜこれをあえて書くかと言いますと、クライアントの中で日本の年金のまとまった一時金を受けると同時に海外旅行に行きはじめる方が少なくないのですが、必ずと言って良いほど旅行先で怪我や持病の発作を起しているからです。
さて疑問に残るのが薬にかかる費用ですね。
パートD:処方箋薬 があります。
加入は民間の医療保険会社を通して行います。 有料です。
因みに私は今年もライセンスを更新して$340プラス教材費を支払いますが、保険代理店の業務は行っておりません! 意味がわからない・・・
ABCD以外にもメディケアのサプリメントとして民間の保険会社が用意しているプランには通常、A, B, C, D, F, G, K, L, M, N と各種あります。 保険会社によってプランに含まれるサプリメントのカバレッジが異なりますので、比較しましょう。
※ これから日本の年金を受け始めようという方で、日本・アメリカの両方の年金を1ペニーも減額されることなく、しかも非課税で受けたい方は、私まぁこまで(連絡先は右サイド)ご相談下さいませ。 これからあなたが受けとる日本の年金が「WEP減額対象の非該当」となる申請を、SSA(米国社会保障省)に対して行います。