アメリカのSSA (連邦社会保障省 Social Security Administration) の職員や会計士が一般に使用しているソーシャル・セキュリティ(年金に近い社会保障制度)の額の概算式は以下のとおり(2017年)
$2,000 ÷ 420 x アメリカで働いた月数 = ソーシャル・セキュリティ(年額)
ためしに丸2年アメリカで働いたことがある方のソーシャル・セキュリティーの額は、上の式で計算しますと$114となります。これって・・・年額ですよ!! 1カ月10ドルにもならないなんて。
しかもアメリカの場合は、10年分のクレジットがあってはじめて受給できるわけですが、たとえ30年間継続して働いていても、実際受ける額となるとそれだけで生活するのは厳しいと思われます。
既に受けている方々が少ないとこぼすのも、ごもっともな話です。
私の年金のお客様は今年(2017年5月末)で411名となりましたが、そのうちの2割近い方が持ち家も何もかも処分して日本に永住帰国されました。アメリカ市民権も放棄して日本に簡易帰化してまでもアメリカを離れて行かれました。
これらはすべて、アメリカの社会保障制度があまりに貧相だからです。
では日本の年金はアメリカに比べてどうなのか?
せっかく私のところに多くの受給者データがあるのですから、よっこらしょと資料を広げて計算してみました。
日本の年金も働いた期間(月数)に比例します。年金という言葉を使いましたが、先に説明したとおり、日本の老齢厚生年金を受ける方は実質、厚生年金と国民年金(基礎年金)の2層の額を受け取ることになります。
最低額を割り出してみました。上のアメリカで24カ月お勤めした場合とできるだけ同じ条件(※)にしますと、その最低金額は年額11万5千6百円となりました。
本日(2017年8月26日現在)のフェドレート$1=111円で計算しますと、$1,041となります。つまり、アメリカのソーシャル・セキュリティの 9.1 倍となりした。
日本の年金の場合、日本で働いた期間(月数)が長くなるほど年金額は雪だるま式に増えますから、試しに日本で10年働いた場合をアメリカで10年クレジットがある場合と比較しますと、日本の年金はソーシャル・セキュリティの額の約17倍を超えます。
※2017年において満66歳~71歳の方を対象に、日本で24カ月働いたものとして計算してみました。