以前私は、アメリカの国外つまり海外において金融資産を報告する義務についてはかなり厄介だと書きましたが、
なかでも最も厄介な報告義務がこの2つ、フォーム 8938 と FBARの申告です。
まず FBAR ですが、これは現在オンラインで電子申請できます。
Report of Foreign Bank and Financial Accounts (FBAR) Due Date
FinCEN would like to reiterate, as previously announced on our website, the annual due date for filing FBARs for foreign financial accounts is April 15. This date change was mandated by the Surface Transportation and Veterans Health Care Choice Improvement Act of 2015, Public Law 114-41 (the Act). Specifically, section 2006(b)(11) of the Act changed the FBAR due date to April 15 to coincide with the Federal income tax filing season. The Act also allows an extension of the filing deadline of up to six months. To implement the statute with minimal burden, FinCEN will grant filers failing to meet the FBAR annual due date of April 15 an automatic extension to October 15 each year. Accordingly, specific requests for this extension are not required.
The FBAR filing deadline will follow the Federal income tax due date guidance, which notes that when the Federal income tax due date falls on a Saturday, Sunday, or legal holiday, the due date is delayed until the next business day.
US Treasury, Financial Crimes Enforcement Network – 2021
アメリカ国外において銀行口座やほかの金融機関の口座をもっている人については、毎年4月15日(2020年と2021年においてはコロナ禍の下で期限延期)までに下記に従い:
Individuals Filing the Report of Foreign Bank & Financial Accounts (FBAR) 個人の申告方法(外国金融資産報告)☚ クリック
このサイトのフォームから電子申請します。
なお、この「個人」が指しているのは、アメリカ市民権を取得した者や永住権(グリーンカード)保有者など米国内居住ステータスに関わらず誰でもという意味であって、どなたも外国金融資産を申告する義務があります。
とルールを書きましたが、まわりを見渡しますと日本の銀行口座や郵貯(ゆうちょ)の口座(居住者口座)あるいは証券口座(これも同様)を持っていながら、「アメリカ国内にいる限りは」この FBAR の申告をしている方は少ないようです。 申告義務を無視して後に IRSに見つかりますと、もちろんペナルティ(懲戒金)が課せられるのですが、IRSの方もそこまで調査がいきわたっていないというのが実情のようです。
しかしながら(!)これが日本に永住帰国するとなると状況は一変します。
既にアメリカ市民権を取得している者が海外、たとえば日本に居住しますと嫌がおうにも米国連邦歳入庁 IRS に税の申告をする義務がついてまわります。 海外(日本)から税申告するわけですから、自動的に海外(日本国内)の銀行口座などの金融資産を持っていることが推測されてしまいます。
この申告を怠りますと、Financial Crime となりアメリカの刑法で罰せられます。日本に永住帰国する方は忘れてならない義務です。
もう1つの申告書は、Form 8938 です。 実際の申告書は3ページにわたりますが、下に1ページ目だけ載せておきます。
Form 8938は、1040と同様に毎年変更されますので、そのつど IRS.gov からサイト内検索して探して下さい。