先週はカリフォルニア州サリナスというところで日本の年金セミナーを開き、多数の参加者がありました。 質問も活発で、質疑応答だけで1時間、計2時間半の長い集まりとなりました。
そもそもどうしてこの田舎町でセミナーを?という話になったかと言いますと、この土地には日本の農家からアメリカに移民してきた1世とその子供たちである2世が多く住んでいるのですが、その日系コミュニティでまことしやかに話されている年金についての「嘘やでっち上げ」を耳にして、ホトホト呆れてしまったからでした。
よ~し、この際そのウソ・噂・デマを払拭してやろうじゃないの(!)と鼻息も荒く、スケジュールを組んだ次第です。
ウソその1)アメリカの市民権をとったら、日本の年金は受けられないって聞きました。
これ大嘘ですからね! いったい誰がそんなこと言い始めたのだ? 連れてこい! 日本の年金は日本国籍保有者もアメリカ市民権をとった方も、さらには、アメリカ生まれのアメリカ市民も皆さん受けられます。 国籍に関係なくね。
ウソその2)でも、日本の年金を受け始めたらアメリカの市民権は無効になると聞いたけど。
愚の骨頂! 説明するまでもなし。
ウソその3)勤めていたところが小さかったし、現在はもうありません。私の年金記録は見つからないんじゃないでしょうか?
心配ご無用です。 厚生年金制度に加入しなければならない事業所は「従業員が1人でもいる」ところです。法人であれば、有限会社・株式会社に限らず加入していなければなりません。 また個人事業主でも従業員が5名以上のところは厚生年金に加入しているところがあります。
むしろこういった小さいところで、倒産したり閉業して今は無い会社の方が記録がそのまま残っていることが多いのです。
大会社ですと、過去に退職者に脱退手当金を支給しているところがありますので、大手の会社の方が私としては注意が必要になります。
ウソその4)沖縄の出身の人は年金がもらえないと聞きました。
大嘘ですね。これについては、
沖縄特例 どう説明したらわかりやすくなるかな?と考えてみた
をご覧ください。
最後に、まったくのデタラメを
日本にある米軍の基地で働いていた人はアメリカで働いていたことになるから日本の年金はもらえない。
これデタラメです。 終戦後から10数年間においてある時期に米軍基地で働いていた日本人のお給料は日本国が日本円で支払っていました。 アメリカ合衆国の占領期、アメリカは1ペニーのお金も支払っていません。
従いまして、この方々は間違いなく100%日本の老齢厚生年金を受けることができます。
もう1つ重要なのは、この方々の就労した記録は渉外管理事務所というところに厳重に保管されていますので、その年金記録は必ず判明します。 つまり、一般企業にお勤めした方の記録よりも堅いということになります。