日本にあってアメリカには決してないもの、介護保険。
日本に限らず、世界の先進国のほとんどが日本と似たような、あるいはもっと充実した国の介護保険があるのですが、アメリカの場合に介護保険らしきものが欲しければ、一般の保険会社から Long-term Care Insurance (長期介護保険とでも呼ぶべき?)を購入しなければなりません。
何10年もアメリカに住んでいながら、多くの日本人やモト邦人が高齢者になればなるほど日本に永住帰国を希望するのは、ひとえに日本の社会保障制度とくにこの、介護保険の補償が高いからなんですね~
日本の介護保険とは?
介護保険は介護が必要な方に、その費用を給付してくれる保険です。
保険ですから、皆で保険料を負担して、必要な方に給付する仕組みになっています。どんな保険でもそうですが、給付を受けるには色々手続きをしなければなりませんし、受けられるかどうかの審査もあります。
審査というと、私は日本の母のことを思い出しました。 昨年85歳で亡くなるまでゴルフやダンスを楽しみピンピンしてた母でしたが、それでもたまに「今日はどーしてもしんどい・・・」という日があったそうです。 そこで彼女は、別の要件で役所に行ったついでに介護保険について係に審査申請の方法を聞いてみることにしました。
役所の職員はひとこと、「毎週ゴルフやダンスにでかけられるくらい元気な人は対象外」と答えたそうな。
やっぱりそうなんですよね・・・ 健康に人一倍気を遣っていた母は口に入れる物は徹底して吟味し、日々の運動・体操もかかさず、誰のお世話にもならないよう努力していました。 どうしても身体が動かないときは1日くらい、とお願いしても介護保険の審査は通らないのだそう。
なんだかな~と思ったのを今頃、思い出しました。
ま、話はそれましたが介護保険制度は日本全国の市区町村の役所の管轄で、その運営は被保険者からの保険料と税金でまかなわれています。
介護保険のサービスを受けるには原則、その都度1割の自己負担が必要です。 年収280万円以上の場合、自己負担率が2割あるいは3割になります。
保険料の支払いは何歳からですか? 保険料の額は?
日本国内に住民票を置いて居住の拠点としている者については、40歳になると介護保険に加入が義務付けられ、保険料を支払うことになります。(第2号被保険者)
とくべつ介護保険料を別に支払い始めるというより、各自がそれまで加入していた健康保険(社会または国民)と一緒に、その保険料が徴収されます。 各地方自治体や個別の健康保険組合によっては保険料の決め方に違いがあります。
では現在既に65歳以上の方は介護保険に加入できないのか(?)というと、そうではありません。 アメリカ在住者で年金を受け始める年齢になった後でも、日本に永住帰国を決めた方は65歳以上でも加入できます。
65歳以上の被保険者(第1号被保険者)
65歳以上の被保険者は、原則として年金からの天引きで市区町村が徴収します。
しかし、介護設備の整備状況や要介護者の人数など、自治体で様々なので、自治体ごとに金額が違います。負担が大きくなりすぎないように、また、低所得者の保険料軽減のために国の調整交付金が使われています。
つまり、被保険者には第1号と2号があります
介護保険の加入者には第1号被保険者(65歳以上の方)と第2号被保険者(40歳から64歳までの方)の分類があります。保険料の支払い義務はどちらにもありますが、サービスを受けられる対象者は、原則として第1号の被保険者だけです。
ところでこの介護保険、セミナーをあちこちで開催してますと、介護保険との医療保険(社会・国民健康保険)ことが頭の中でごちゃまぜになっている参加者によく出あいます。 ここで介護保険、医療保険の違いを図にしておきますね。
● 第1号被保険者:65歳以上の人
● 第2号被保険者:40歳以上65歳未満で医療保険
(健康保険、国民健康保険など)加入者
第2号被保険者は、老化に起因する疾病(指定の16疾病)により介護認定を受けた場合に限りサービスの対象となります。
指定の16疾病については次のとおり。
介護保険で対象となる疾病(特定疾病)
- 末期がん
- 関節リウマチ
- 筋萎縮性側索硬化症
- 後縦靱帯骨化症
- 骨折を伴う骨粗鬆症
- 初老期における認知症
- 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
- 脊髄小脳変性症
- 脊柱管狭窄症
- 早老症
- 多系統萎縮症
- 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性閉塞性肺疾患
- 変形性関節症(両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う)
次回(中編)は、介護保険証はどこでもらうのか? 審査の申請はどうやって?というお話をします。
※ これから日本の年金を受け始めようという方で、日本・アメリカの両方の年金を1ペニーも減額されることなく、しかも非課税で受けたい方は、私まぁこまで(連絡先は右サイド)ご相談下さいませ。 これからあなたが受けとる日本の年金が「WEP減額対象の非該当」となる申請を、SSA(米国社会保障省)に対して行います。