銀行の選び方 – 年金を受けるための指定口座

アメリカのソーシャル・セキュリティも海外どこへでも送金してくれます。この場合、指定金融機関の口座に国際送金してもらうか、郵送でチェック(小切手)で受け取ることが可能です。

しかし日本の年金の場合は、チェックの形で国際郵送されることがありません。 日本年金機構・外国送金部では、指定銀行口座に送金先の国の通貨で送金当日(偶数の月の14日前後)の為替レートにて送金しています。

この年金の指定銀行口座ですが、どの銀行を選ぶのかは注意が必要です。

アメリカ国内で登記されている銀行ですと、まずRemittance Fee リミタンス・フィー(入金手数料)というのがチャージされるからです。

自分の銀行にお金が入るのに手数料を取るのですよ!

大体どのメジャーな銀行でも、$15~30/1回 がチャージされます。 ここですが、今「まあ、それくらいなら取られてもい良いか・・・」と思いましたか? あまい、甘い。

日本の年金の受給者は、その殆どの方が「老齢厚生年金」と「老齢基礎年金」の2本建てで年金を受けています。 つまり、アナタの指定銀行の入金手数料が1度につき$15をチャージするとしますと、年金の送金月にはそのつど$30が差し引かれることになります。 年間にして $180 です。 (日本の年金は隔月・偶数の月に送金される)

年金は生涯受けるものですから、毎年この金額が入金手数料として差し引かれてしまいますね。

日本年金機構・外国送金部では予め、送金手数料は国が負担しています。 つまりこちらはタダ。 日本国がせっかく送金手数料をタダにしているのに、お金を受け取る側のアメリカの銀行が毎回$30、年間$180無差別にチャージしているのですぞ。

しかしこの入金手数料を無料にする方法が2つくらいあります。

1つは、ご自分が長年お付き合いしている銀行の支店長クラスの人と仲良くして、あるいは長年その銀行にお勤めしているバンカーに、「私は家を買う時も、こちらでローンを組んだしぃ、預金額はいつもこれだけあるしぃ・・・」と交渉してみること。 これは大体において無料となります。

実際クライアントと一緒に私が出向いて交渉した結果、100%無料にしてくれました。

もう1つの方法は、西海岸と東海岸在住の人にしかできないことなのですが、昔は日系の銀行であったあの

Union Bank さんの銀行口座を指定することです。

この Union Bank バンクさんは15年前、私が年金の仕事を本業にした頃はまだ日系の資本が50%以上入った日系銀行でした。 当時の頭取はまだ日本からきた駐在員ばかりでしたし、各支店の支店長も日本語が話せる日系アメリカ人か1世でした。 この頃に実は私、サンフランシスコ日本町の Union Bank 支店長にお願いして、日本からの年金の入金手数料を無料にして頂いたものです。

あれは2003年のことでしたが、15年経った今もこの約束は守って頂いてます※。

あ、ご注意頂きたいことが1つ。

既に Union Bank に口座を持っている人は問題ないですが、新規口座としてこの銀行に口座を開こうとお考えの方は決して、

日本から年金が入るから新規で口座をあけたい、言わないように

お願いしますよ。 これ言っちゃうと「他をあたって下さい、しっしっ」とお断りされます。 過去に何人か断られた方がいらしたので老婆心ながら。

※ 2021年9月、U.S. Bank が MUFG Union Bank の買収を発表しました。日本からの年金の入金手数料が U.S. Bank に看板が替わって以降も無料なのか? いくらかチャージするのかは2022年2月の時点ではまだ分かっていません。 

※ これから日本の年金を受け始めようという方で、日本・アメリカの両方の年金を1ペニーも減額されることなく、しかも非課税で受けたい方は、私まぁこまで(連絡先は右サイド)ご相談下さいませ。 これからあなたが受けとる日本の年金が「WEP減額対象の非該当」となる申請を、SSA(米国社会保障省)に対して行います。