昭和生まれのソーシャル・セキュリティ

アメリカの年金、ソーシャル・セキュリティはこんなに少ないんですよ、といろいろ書いてきましたが、

「西暦で説明してるのでわかりずらい、昭和の生年月日で書いてよ」

というわがままなご意見をいただきました。 しょうがないな、私も他に言いたいことがあるのでここらでひとまとめにしておきます。

まず、こんなリクエストをする人ってたぶん50歳は超えてますね? でしたら、「ソーシャル・セキュリティを受け始める直前の数年~10年間がまさに勝負」だと思って下さい。

勝負ってなにが?

この直前の数年でいかに多くの税金・ソーシャルセキュリティ税を払うかで、将来そして生涯受けるソーシャル・セキュリティの額は全然ちがってくるということです。

アメリカ在住者の多くは、20代後半から30代に渡米していると思われます。 この在米日本人が30代・40代でいくら稼いで高い税金(とくにSSA税)を支払っていたとしても、50代でその収入がガクンと落ちた場合、あまり多くのソーシャル・セキュリティは期待できません。

なぜか?

ちょっと、ご自分の “Your Social Security Statement” (社会保障庁公文書番号 SSA-7005)をチェックしてみて下さい。 そうそう、10年くらい前までは郵便でSSA(社会保障庁)から送られてきていたあの、”Your Social Security Statement”のことです。


現在は、自分で SSAのオフィシャルサイトへ行って登録し、ログインしないとチェックできないようになっています。「そういえば、最近あの郵便が来なくなったな?」と思っている人は今すぐ、SSAに登録して下さい。

www. ssa.gov

前にも書いたとおり、我々が将来受けるソーシャル・セキュリティの額は、過去35年間に収めたSSA TAX (ソーシャル・セキュリティ税)の平均値で決まります。

たとえば、過去40年間ずっと SSA TAX を支払ってきた人は、納税額が高い順に上から35年が採用され、その平均値でソーシャル・セキュリティの受給額が決定します。 いちど決まったソーシャル・セキュリティの額は生涯基本的に変わることはありません。(消費者物価指数の急激な変動があった場合には、変わる可能性も有る)

納税期間が35年に満たない人であっても、過去の納税額の平均値を計算する際には、その分母は35年になります。もし納税期間が35年に満たないならば、この先は毎年より多くの税金を納めていた方が良いです。

より多くのソーシャル・セキュリティを受けたいならば、これからは一切「節税は考えず」に納税額を高くすることを考えましょう。W-2ベースで働いている方は納税額をそう簡単には増やせませんが、副業で稼いだ僅かな額でも正直に申告すれば上がります。

大丈夫、涙を呑んで支払った税金など、ソーシャル・セキュリティを受け始めたら1年半~2年でもとは取れる勘定になりますから。

自分が将来受けるであろうソーシャル・セキュリティの額を実際にSSAのサイトでシュミレーションしてみたら、「あ、そういうことね」と納得できます。 是非お試し下さい。

さて、その過去の納税期間ですが、SSA税を35年以上払っている人でもソーシャル・セキュリティの試算額が $2,511 (2018年に設定された月額の上限)に満たない人はやはり、向こう数年間が勝負となることは言うまでもありません。

ようやくここで昭和生まれの方のために、ソーシャル・セキュリティの受給年齢と繰り上げ減額率を表にしてみました。 参考になればと思います。

 
生まれた年 受給開始年齢 ソーシャル・セキュリティの
繰り上げ減額率
家族年金の
繰り上げ減額率
~1937年 ~昭和12年 65歳 -20.00% -25.00%
1938年 昭和13年 65歳2ヶ月 -20.83% -25.83%
1939年 昭和14年 65歳4ヶ月 -21.67% -26.67%
1940年 昭和15年 65歳6ヶ月 -22.50% -27.50%
1941年 昭和16年 65歳8ヶ月 -23.33% -28.33%
1942年 昭和17年 65歳10ヶ月 -24.17% -29.17%
1943~1954年 昭和18~29年 66歳 -25.00% -30.00%
1955年 昭和30年 66歳2ヶ月 -25.83% -30.83%
1956年 昭和31年 66歳4ヶ月 -26.67% -31.67%
1957年 昭和32年 66歳6ヶ月 -27.50% -32.50%
1958年 昭和33年 66歳8ヶ月 -28.33% -33.33%
1959年 昭和34年 66歳10ヶ月 -29.17% -34.17%
1960年~ 昭和35年~ 67歳 -30.00% -35.00%
本文ここまで

注意:

(1) 年金加入期間が40クレジット(10年相当)以上あってはじめて、ソーシャル・セキュリティの受給資格が発生する。

(2) ソーシャル・セキュリティの満額受給年齢は65歳。(現在、アメリカ年金制度改正に伴い、67歳まで段階的に引き上られる)

(3) ソーシャル・セキュリティの受給者に65歳以上の配偶者(現在67歳まで段階的に引き上げ中)や18歳未満の子がいる場合等に、ソーシャル・セキュリティの50%に相当する額を「家族年金」として受けることができる。(対象者が複数いる場合は、一定の上限有り)

(4) ソーシャル・セキュリティ及び配偶者の家族年金の受給開始は、最高で62歳まで繰り上げすることが可能。 その場合、配偶者は月45時間以上就労していないことが条件。 また繰り上げた年金は、生涯にわたって一定の率で減額される。受給開始年齢を繰り下げることも可能で、この場合は一定の率で増額される。

(5) その他、障害・遺族年金制度がある。 日本の外国人脱退一時金制度に相当する保険料還付制度は無い。

(6) 遺族に対しては、遺族年金のほかに死亡一時金制度がある。(死亡後2年以内に請求が必要)