昨年、Union Bank は US Bank にかわりました。(2023年5月29日)
それまで、日本から送金されてくる年金の受け取り指定銀行を Union Bank にしていた方々はお気づきのとおり、US Bank では、海外からの Incoming International Wire があった場合(1回につき)$25の入金手数料をチャージしています。
もとより、2003年以来20年間にわたり、日本からの年金の入金手数料を無料にしてくださった Union Bank に心より感謝します。
が、悠長なことを述べている場合ではない。 なぜなら、現在日本から年金を受けている方々のほとんどは老齢厚生年金と老齢基礎年金(国民年金)が2本だてで入金されているからです。
ということは、US Bank を年金の受け取り指定銀行にされている皆様は、2カ月に1度年金を受けるたびに、
US Bank の手数料の実質 $50
をその口座から天引きされていることになります。 年金の受給額が低い人にとって、この$50はイタいはずです。
ということで、昨年お客様情報をもとに
アメリカの銀行の入金手数料を徹底調査
してみた結果、この1年間で事情はどう変わったのか? 検証してその最新情報に更新してみました。
注1)昨年破綻したシリコンバレー銀行(Silicon Valley Bank)、JP Morgan により買収されたファースト・リパブリック銀行(First Republic Bank) は除外しました。
注2)信用組合(Credit Union)や信託(Trust) は、そもそも Swift* を持たないので、これらも除外しています。
皆さんの関心は海外からの入金手数料ですね。 右から2列目の「Incoming International Wire – 海外からの入金」をご覧ください。
* 各銀行とも種々のタイプのアカウントを設定しており、月額メンテナンス・フィー(monthly maintenance fee) など雑費が発生することがあります。 新規に口座を開設する際には、このような雑費の内容をよく確認して下さい。
ということで、表のとおり、
Fidelity は国内外すべての送金・入金手数料が無料
になってますので、昨年(2023年)私はこの「Fidelity (正確には、Fidelity Investment)が良いですね」と推しました。
では実際にどうなのか? 私自身がこの Fidelity に口座を作り、日本の年金の受け取りを指定してみました。 結果、この1年間で新たに判明したことを報告します。
Fidelity はその名前のとおり、Investment (投資)会社であり、アメリカの金融機関の区分では「銀行(Bank)」ではありません。 そのため、Fidelity に Checking Account を開設して小切手(チェック)を作りますと、その小切手にはごく小さなフォント(文字)で、”UMB Bank, N. A. Kansas City, MO” と印刷されています。
これはいったいどういうことなのか(?)といいますと、Fidelity Investment が銀行としての機能を使いたい場合には、 UMB Bank, N. A. の名称(と Swift Code)を借りているということです。
やっかいなのは、Fidelity の小切手に印刷されている13桁の口座番号のほかに、UMB Bank, N. A. の名称を借りている場合には11桁の口座番号と、さらにまた別の17桁の海外向け口座番号の計3種類の番号を使い分けしなければなりません。
実際、私が自身の年金の受け取り指定の様式に送金の方法を記入した際、日本年金機構にて無事に受理され安心していたのですが、偶数の月(年金の送金月)の15日に入金は無く、後日、日本年金機構の外国業務グループ・外国送金部より、
あなたの年金はこの金融機関には送金されません。つきましては ~
という長々しい通知書が届きました。 どういうことなのか、この日本年金機構・外国業務グループに電話連絡したところ、「実際に送金をする日本銀行の送金担当の係には、あなたが記入された送金の指定用紙を理解してお手続きができる者と、そうでない者がおり、当日にならないと送金可能かどうかわからない」との返答を受けとりました。 さらにその2カ月後に航空便で、
Fidelity など、じっさいには銀行ではない金融機関で、ほかの銀行の Swift を借りて海外からの送金を受け入れている金融機関については、年金の送金先に指定しないでいただきたい。
かいつまんで言いますと、上のような内容の通知書を受け取りました。
結論。Fidelity を年金の受け取り指定金融機関にしないで下さいね、ということになります。 昨年 Fidelity が良いですね、などと推奨したこと、お詫びして訂正申し上げます。
さて上の比較の表では、Citibank も海外からの入金手数料だけ見れば $0 になっていますが、これには条件が付きます。 通常の Checking Account に「3万ドル(US$30,000.-)以上の預金があること」です。 実際私は Fidelity の口座をあきらめて、Citibank の Checking Account を年金指定口座にしました。
また、Bank of America は Checking Account または Saving Account に7万ドル($70,000.-) 以上の預金が有る場合、International Incoming Wire Fee がウェイブされます。 BMO (旧 The Bank of West)では、このミニマムの預金額が数千ドルから、という口座がありますので、既にBMO Bank に口座がある方は一度、最寄りの支店のマネージャーやバンカーに相談されてみると良いでしょう。
Ally も海外からの入金手数料は $0 なのですが、オンラインバンクなので、いざ日本など海外に送金したいことがある場合には使用できないのでお薦めできません。
※これから日本の年金を受け始めようという方で、日本・アメリカ!の両方の年金を1ペニーも減額されることなく、しかも非課税で受けたい方は、私まぁこまで(連絡先は右サイド)ご相談下さいませ。(コンサルティングは有料です)SSA(米国社会保障省)に対し、あなたが受けとる日本の年金がWEP減額対象から外れていることを確認・申請します。