実例 年金でソーシャルセキュリティを減らされました・・・ケース3

日本の年金を受けているがためにアメリカのソーシャル・セキュリティが減額されてしまったという実際にあったケースを2つ紹介しました。

実例 年金でソーシャルセキュリティを減らされました・・・ケース1

実例 年金でソーシャルセキュリティを減らされました・・・ケース2

このような方々は「クライアントではありません、念のため」と断ってきましたが、それではこれまで私のクライアントの中で、ソーシャル・セキュリティを減らされた人はただの1人もいなかったのか?

いえ、1人いました

クライアントが代理人(私)との契約の1項に抵触した、約束をやぶったというケースでした。

その1項とは、「~~~の場合には、代理人に速やかに連絡すること」という、報告義務のところです。

実例の3つ目を語る前に、今日はまず時効特例法(2007年)の話をしなければなりません。

年金の請求をした時点で既に満65歳を過ぎている方で過去に年金受給資格が発生している場合、その過去に受けられるはずであった年金は5年まで遡及(さかのぼる)されて支給されます。 5年を超えて昔の期間については時効が成立してしまいます。

これが年金の時効です。

しかし2007年6月に時効特例法が可決、7月からは施行されました。

時効特例法。 直近の5年を超えて昔の期間の年金も全額支給される人に対して、一方依然として時効が成立する方々がいます。 この違いについて深く知りたい方は、コチラをご覧ください。

年金の時効特例、該当する人しないひと・・・

時効特例にあたるか否かは、代理人の手腕にかかっています。 自力で片付けるのは無理。 時効が成立しないことが立証されてようやく過去30年分の年金(日本円で約1,300万円)を受けることができた方のお話はこちらです。

90歳になって1300万円、、、

さて、日本の年金のためにソーシャル・セキュリティを減額された例の3の日本人が私と代理人契約を結んだ時、この方は既に89歳でした。

年金の請求の手続きが無事終了して最初の年金がご本人の銀行口座に振り込まれた当初、日本年金機構は「5年の時効が成立する」と決定しており、この方には過去の5年分のみが支給されました。

ですがもうすぐ90歳になろうという方。 時効が成立しなければ30年分が・・・

そこで私はこのクライアントとの間に、新たな契約「時効特例にあたる給付の請求手続き代行契約」を結びました。(当該契約の1項が「代理人への報告義務」です)

通常この手続きを開始しますと、遡及金全額の支給決定までにはどうがんばって急がせても最低10ケ月、ほとんどの場合が丸2年かかります。

この間に代理人はただ待つのではなく、日本年金機構に「まだか~、まだか?」と進捗状況の確認と催促を継続して行います。

時効は成立しないことを力説しながらも1年半も経った頃、年金事務所の担当者と話してもラチがあかないことをようやく悟った私は、(また、クライアントが90歳を超えていることも心配になり)とうとう日本年金機構本部の時効特例を審査している部門に直接電話を入れてみました。

ところがその電話でなんと、「この請求者には〇年X月に、既に時効にあたらない部分の309か月分(約25年分)の年金は支給されています」との回答が・・・(愕然!)

10カ月も前に460万円が送金されてました・・・

この10カ月間に私はクライアントから何の連絡も受けておらず、支給の決定通知書も受け取っていません。 なぜ(?)と日本年金機構の担当者を責めても仕方がありません。 支給決定通知書は通常代理人である私に送付されるものですが、折が悪く、送付する際に新人の担当者が代理人(私)への委任状を見落としていたのです。 支給決定通知書は直接、クライアントに郵送されていました。

急いでフェデックス・エクスプレスで再発行・送付して頂いたのが左の「時効特例給付支払決定通知書」(実物)です。

それにしても、信じていたはずのクライアントがとうに460万円を受けとっており、そのことを私に知らせてくれなかったとは・・・ バックレられた。

もう本当にショックで、耳元で自分の心臓音がドックドックと聞こえてきたのを覚えています。

ですがまあ、それは良い。 一大事なのは発覚した日が

タックスリターン締め切り、4月15日を過ぎていた・・・

ということ。

このクライアントが前年の税金の申告で、日本から送金されてきた460万円をきっちり申告していたとは到底思えません。

こちらから電話で伺った際も、「460万円なんてお金、口座には入っていない」と返すばかり。 これではIRSにも報告しているはずがない。

さて困りました。

これまで日本の年金もアメリカのソーシャル・セキュリティも1ペニーも減額されることなく合法的に「両方全額受けられます!」と豪語してきたのに・・・ 長年にわたってこの減額回避ができたのは、年金の受給額が一定額までは棚ぼた防止規定にあたらないことを、しかるべき書類をもってIRSに報告してきたからです。

このクライアントが前年に受けた460万円については、この減額回避の手続きをしていません。 知らされていなかったのですから。 しかも、460万円は「一定額」をはるかに超えています。

ここから後は説明するまでもないです。 このクライアントには後日IRSより追徴税と罰金が課せられただけでなく、翌年には社会保障省(SSA)からの減額確認書が届きました。この方のソーシャルセキュリティは棚ぼた防止規定によりキッチリ60%が減額されました。