年金の運用で14兆円の赤字 株価の下落が影響(2018年第4四半期)

2018年の10月~12月(第4四半期)、最悪

タイトルだけ見ると、日本の年金の運用で昨年の最後の3か月は大損したということは大方理解できる。

今朝がた、カリフォルニアに住むあるクライアントから「国が年金用のお金の運用を失敗して大損して、いま年金用のお金はカラどころか赤字なんだって! ホントなの?」と電話してきた。

おいおい、

そういうことでは無いからね・・・

日本のマスコミ、とくに新聞は国民の不安をあおるような言葉を敢えて選んで見出しをつくろうとするので、すぐこういう反響がありますね。

この記事では、「昨年の10月から12月までの3カ月間で運用したお金ではいつものような利益が出ず、損となり赤字としては14兆円でした」、と説明しているだけです。

年金のための運用資産の総額がなくなって、マイナスになったわけではありません。

写真・図版

年金積立金の運用成績の推移

上のグラフをの青い折れ線グラフに注目して下さい。 これが運用資産額。 単位が(兆円)になってますね?

このグラフでは2008年からの10年分の推移しか表していませんが、120兆円あったものが折れ線ながら(変動しながら)も少しずつ上昇しており、昨年2018年末には150兆円を超えています。

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用している年金用のお金は、10年間でトータル30兆円以上も増加してるのです。

公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は1日、昨年10~12月期で14兆8039億円の運用損が出たと発表した。最近の世界的な株安によるもので、四半期ベースの赤字額は過去最大。以前に比べ、年金資産に占める株式の運用比率を高めており、株価下落の影響を受けやすくなっている。

朝日新聞 2月4日(月)

赤字になるのは3四半期ぶりと書いているとおり、2017年の第1四半期にも損はありました。 上のグラフの右から2番目の赤い棒グラフのとおりです。

お金を国内外の有価証券や債券などに投資して運用している限り、順調に利益があるころを見計らったかのようにドンと損がでる状況がずっと続きます。

ようは、プラスマイナスで最終的にプラスになればよろしいということ。

デイトレーダーでも長期のインベスターでも同じこと。 帳尻が黒字なら宜しいと。

巨額の赤字の背景には、米中貿易摩擦などの影響で、国内株式で7兆6556億円、外国株式で6兆8582億円の大幅な損失が出たことがある。GPIFは14年10月、将来の年金の支払いに必要な資産の利回りを確保するためとして、比較的安全だが、利回りが低いとされる国債中心の運用基準を見直し、株式の比率を50%に倍増させた。

一方で、年金資産の市場での運用を始めた01年度以降の累積の黒字額は56兆6745億円。運用を見直した14年10月以降でも、15・4兆円近くの黒字を維持している。西村康稔官房副長官は1日の記者会見で「今回の短期的な運用結果が年金財政の問題に直結したり、年金給付に影響を与えたりすることはない」と述べた。ただ、SMBC日興証券の末沢豪謙氏は「世界的に景気に減速懸念が出ており、昨年前半までのような高い運用益は期待できない」と話している。(中村靖三郎)

朝日新聞 2月4日(月)

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