日本の老齢・障害・遺族年金とよく混同されるものに、共済の年金があります。
アメリカ在住の方で「日本では学校の先生してました!」とおっしゃる方が少なくないのですが、なんと(!)こういう方のほとんどが、「自分には厚生年金が支給される」と思っています(ギョ!?)
モト先生という方が加入してたのは国の社会保障制度ではなく、学校共済ですよ。 これを知っている方は皆無・・・
なので、こちらもあえてご覧頂きたい、共済のこと
学校の先生と言いましても、公立学校共済組合に加入していた教員と、私立学校教職員共済の加入者に分かれます。 それぞれ調べてみて下さい。
これら共済組合から支給される老齢給付もいちおう年金と呼ばれていますが、お金の出どころは日本年金機構ではありません。
ところが・・・ ここからが問題なのですが
なんと言って良いやら、とにかく共済年金は厚生年金に(手続きだけが一部)統一されたのです。(平成27年10月)
日本にある(あった)共済組合はざっと30以上あります。 すべてが一斉に厚生年金に統一されたかというと、そうではないのですが。
アメリカ在住者にとって縁が深い共済組合と言えば先ほどの学校共済ですが、次に加入者として多いのは国家公務員共済組合連合会(KKR)※でしょう。 国立の病院で働いていた看護師さんが比較的多く、この方々は国家公務員だからです。
さて統一されたからその手続きは簡便化されているのか?といえば、その手続きは非常に複雑です。
たとえば、全国各地にある国立病院で看護師をしていた方が渡米して数十年間アメリカに住んでいるとしましょう。
いざ60歳前後になって共済の加入期間を調査したり、実際に共済の年金給付を受ける際になぜか、日本年金機構が付番すべき基礎年金番号が必要になります。
なぜ? と言いたい。 が、統一されたからにはどの共済も被用者年金の加入者として基礎年金番号で管理したいのでしょう。 アメリカの社会保障番号(SSN)と同じですね。
さらに不便なのは、国の厚生年金保険制度に一度も加入したことがなく、職歴は国家公務員であった期間のみという方でも、基礎年金番号を受けなければならないことです。 あーめんどくさい!
この共済組合の詳細や実際の年金給付の流れにつきましては:
国家公務員共済組合連合会職員共済組合をごらんください。
※KKRは現在、以下の20共済組合で組織されています。