昨今の困ったさん、お電話頂いてもねえ・・・

まず先に申し上げます。

お客様ではなく、ご自分で年金の手続きをされた方、また日本の親族に頼んで手続きを済ませ年金を受け始めた方については、その後にどのようなトラブルが発生しても、私は助けることができません。

近年、見ず知らずの方からこのような助けを求めるお電話が増えてきました。 堅くお断り申し上げます。

年金をもらったは良いが、困ったことになっちゃった。助けて下さい!」という方の多くが、IRS(Internal Revenue Service 米国内歳入省)からの書面監査(Paper Audit)や督促状を受け取ったと、ペナルティ(罰金)に関することで電話をしてきます。

いくつか紹介しましょう。

相談1)IRSから罰金の督促状がきた(一番多い例)

日本に住んでいる親族の協力を得て年金を受けるに至った方も少なくありません。が、この方々の殆どが署名しなくてもよい書類、「(日米間の)租税条約に関する届出書(様式9号)」に署名しており、後になってIRSから徴収金の回収通知を受け取っています。

これらの書類についてはこの15年間、新聞、テレビ、ラジオの番組で何度も警告してまいりました。 それも見たり読んだりして知っていながらなお上記書類に署名し、それなのになぜか(?)税金の申告(タックス・リターン)では日本の年金分の収入を申告していない邦人・日系人が未だにいます。

自分はバレないだろう・・・

とでも思ったのでしょうか? バレるんだよ、必ず!

「年金をもらい始めたのですが、IRSから多額のペナルティ(罰金)の請求書がきました。まぁこさん、助けて下さい!」

やってしまったことは無かったことにはできません。 絶対に助けませんからね!!

もともと日本の年金は、年間の額が:

a)65歳以下の方の場合72万円(年額)まで
b)66歳以上の方の場合は120万円(年額)まで

については当該書類「(日米間の)租税条約に関する届出書(様式9号)」を提出する義務はありません。

この書類には署名を拒否して、年金を受け始める前に非課税処理をするのが妥当です。

ところが在サンフランシスコ総領事館では過去に一時期ですが、無免許の相談役を雇用していたことがあり、年金の相談で領事館に見えた日本人に対し、この「租税条約に関する届出書(様式9号)」に署名をさせていたことがあります。

IRSから罰金命令が出てから初めて私に電話されても、「領事館の不始末は領事館で」としか回答できません。

アメリカの場合、期日以内に罰金を支払わない場合の罰則は厳しく、JAIL (拘置所)に入らなければなりません。

日本年金機構・年金事務所では、皆さんがアメリカ国内でどれだけの税金を徴収されるかなんて心配までしてくれません。 これから自分で手続きしようと考えている方はまず、IRS のウェブサイトで勉強して下さい。

IRS.gov 公式サイト内での検索キーワードは:APPLICATION FORM FOR INCOME TAX CONVENTION (between USA and Japan)
Form 9 です。

老婆心ながら、アメリカの税理士に毎年 Tax Return(税申告)を依頼している方で勇気のある方は、この租税に関する条約(日本とアメリカ間)について説明してやってください。

税理士さんのプライドを傷つけたくない方は、アッサリ税金を払ってください。毎年1~4月の間は多くのCPAから弊事務所へ電話がありますが、それより先に、

IRS.gov を見よ! APPLICATION FORM FOR INCOME TAX CONVENTION (between USA and Japan) のInstruction を読め!

アメリカは現在、日本を含めて25ヶ国と社会保障協定を結んでいますが、それらの協定相手国から送金されてくる年金に課せられる税金の取り扱い方はマチマチです。相手国によって収入として扱うか否かが違ってくるということです。

日本の年金は海外からのペンションとして扱いを受けない唯一の例外なのですが、税理士さんは日本もその他の国も一様に収入を得たもんとして税金を払わせます。だってIRSの監査にひっかかったら、税理士の資格を略奪または一時停止されます。それが怖いのです。

相談2)IRS の監査 (Audit) のお知らせがきた(これはまだ良い方)

非課税処理をしていない上に申告もしていないけれども、金額的にそう高額ではない例です。 観念して監査を受け、しっかりPenalty(罰金)を払って下さい。

相談3)アメリカのソーシャル・セキュリティを減額された

基本、日本の年金をいくら受けようがソーシャル・セキュリティの額を減らされることはありません*。 しかし残念なことにSSA(ソーシャル・セキュリティ・エージェンシー/オフィス)では日米間の社会保障協定(2005年)に関する教育を職員に施していません。

窓口職員は日本の年金もほかの私的Pension/Annuityや日本以外の外国からの年金と同等に扱い、結果ソーシャル・セキュリティを減額された方が多数います。 そうなってから電話を頂いても私も救済できません。

租税条約の届出の提出を拒否してしっかり非課税処理をしているにも関わらず、私のクライアントの中でもお一人だけ、危うく減額されそうになった方がいました。 数年前までは私がソーシャル・セキュリティ・オフィスへ同行していましたので、その場で「いや、違いますよ」と説明して事なきを得ました。 やはり、あるんですね、こういうこと。

役所のデータベースに間違えて入力された情報を後で覆すのは容易なことではありません。従って、減額されたこと自体が間違いだと分っていても、生涯その額を受け続けることになるでしょう。

* 同じ期間に日米両国の社会保障制度に加入していた場合は別。