これまでの問題、改正に至った経緯についてあまりご存知無かった方のために、少し説明しますと:
今年の3月までの実情というのは、65歳以降も働いて毎月保険料を払っているのに、なぜ自分の在職老齢年金の支給額は増えないのか?
というモットモな不満が65歳以降の会社員にはあったわけです。
この辺、アメリカのソーシャル・セキュリティとは異なりますね。 アメリカの場合、62歳にソーシャル・セキュリティの早期受給を開始していても、その後も働いてSSA税を支払っていれば、毎年その受給額は増えていきます。
もらいはじめても、毎年増やせる!ソーシャル・セキュリティ
これがやっと日本も、今年4月に改正され働き続けるメリットを実感できるようになるのです。
それが、この4月から制度改正の1つ、65歳以上を対象にした
在職定時改定
です。
65歳以降も厚生年金に入って働き続けた場合、これまでは、厚生年金の上限である70歳に達したときか、退職したときにしか、65歳以降に加入した期間に見合う年金の増額はありませんでした(退職改定)。
4月からの新制度では、在職中も年1回年金額が見直され毎年それまでに払った分の金額が上乗せさることになります。
この年1回の年金額見直しにおいて、在職者は自分から手続きや申請をする必要はありません。 雇用主(会社)の社会保険労務担当者が手続を行ってくれます。 あなたは翌年度から毎月の給与明細のうち、いくら年金が増えているのか確認するだけとなります。
日本国内ではこの年1回年金額が見直しの対象者が約150万人いるのでは(?)と推定されていますが、これは現在アメリカに住んでいる方で日本に永住帰国を考えている方にも他人事ではありません。
この年齢でどこも雇ってくれるところなんか無いよ、と言っていたのは昭和の話
アメリカでのキャリア・実績、英語力を活かして、日本で再就職する方が続々と増えています。 これは、この18年間多くの在米日本人やモト邦人をコンサルティングしてきて、経験上のべておきます。
長く働く効果実感、年1回10月に改定
月20万円で1年間働くと年金の年間増加額は1万3000円(月1100円)程度、月30万円なら同2万円(同1600円)程度になります。
年金収入に多くを頼る退職後のことを考えますと、年金の受給額が月に1100円でも増えるのは朗報です。
月20万円で70歳まで働くと70歳時点の年金額が65歳時点より年約6万6000円増えるのはこれまで通りでしたが、この4月以降は自分で手続きをしなくても、69歳までの4年間、毎年1万3000円程度ずつ増えていきますので、受取額は単純に計算しただけでも約13万円増となります。
年金額は年1回10月に改定されます
具体的には9月1日時点の在職者に対し前年9月からその年の8月までに加入した期間を基に年金額を再計算し、10月分(12月支給)から増えていきます。
65歳を過ぎた在職者もそれまで加入した期間の分が増えますので、安心してください。 今年4月に68歳になる人は65歳以降の3年間と4~8月の5カ月分の合計が10月分から上乗せになります。
減額基準の緩和
例えば、月収が30万円、年金の受給月額が10万円の人は、これまで超過額(12万円)の半分の6万円が支給停止になっていました。 年金は本来の受給月額10万円のうち月4万円しか受け取れませんでした。
この4月からは全額受給できるようになります。 月収40万円、年金10万円の人は全額支給停止から月8.5万円を受給できるようになります。 これが減額基準の緩和です。
対象となる年金は65歳未満に支給される特別支給の老齢厚生年金です。 ※この年金は受給開始の年齢が徐々に上がっており、男性が25年度、女性は30年度で終了します。
女性の就労後押し
これまで年金額が減らないよう収入が一定額で収まるように就労時間などを調整していた人、たとえば配偶者控除を受けるためにボーダーラインの年収103万円を超えないように働いていた主婦などは、フルタイムで働きやすくなります。
※ これから日本の年金を受け始めようという方で、日本・アメリカの両方の年金を1ペニーも減額されることなく、しかも非課税で受けたい方は、私まぁこまで(連絡先は右サイド)ご相談下さいませ。(有料)SSA(米国社会保障省)に対し、あなたが受けとる日本の年金がWEP減額対象から外れていることを確認・申請します。