実例 年金でソーシャルセキュリティを減らされました・・・ケース1

ご自分で日本に行ってフツーに年金の請求手続きをしますと、通常アメリカのソーシャルセキュリティは最大60%まで減額されます。

2005年の日米社会保障協定の締結以来、ず~っとテレビやラジオ、新聞、フリーペーパーそしてネット上でも警告してきました。

「そうは言っても、私はバレないんじゃ?」とひそかに思っているアナタ。

バレます!

「だって、私の友達で年金の額を毎年IRSに申告してなくて、何年経ってもバレてない人がいますよ。 ようは、IRSやSSAにバレなきゃ良いんでしょ!?」って、そこの君ぃ・・・

いずれ、バレます。 海外からの年金等を秘匿して10数年経過した後に発覚した場合、事態はもっと深刻です。 申告漏れの年毎に追徴税+利息、さらに年度別にペナルティ(罰金)が課せられるからです。

通常、IRSの納税義務は7年で時効という話は聞いたことありますね? ですが、海外から受けている年金等を申告(しなければならないと知っていながら)していないということは Fraud (詐欺)にあたります。 詐欺という言葉にあたらないとしても「未申告」であることにかわりはなく、時効は成立しません。 よって、ペナルティは容赦なく課せられます。

さて、これだけおどかしてもまだ自分はバレないだろうと思っている、根拠のない自信家さんのために、今日は実際、SSA(社会保障省)からある日本人に記入を求められた質問書を公開します。

個人情報等はマジックでマスキングしてありますが、本物です

この方は以前日本に一時帰国した際に、郷里にある年金事務所へ行かれ、満60歳~65歳までの特別支給の年金の手続きを済ませたそうです。

その後も65歳からの老齢年金を継続して受けています。

今年66歳と2ヶ月でソーシャルセキュリティのフルリタイアメントを受けられる年齢(FRA)に達するので、ソーシャルセキュリティのオフィスへ出かけました。

窓口に行ったらSSAの職員から即、

「あ~、日本からペンションを受けてますね」

と言われました。 これは質問ではなくて指摘されたと思って下さい。 この時記入・提出を求められたのが上の用紙です。

「家に置いてある書類を探してみないと答えられない質問があるので・・・」と言って何とかオフィスを引き返し、帰宅してから私の事務所に助けを求めてこられました。

ご自分で年金の手続きを済ませている方で、その情報が既にIRSやSSAに流れている場合、私であっても減額を免れる手立てはありません。 結果、この方のソーシャルセキュリティの受給額は25%カットされました。

日本から受けている年金の額はわずかなので、25%カットと聞いてちょっと驚きました。 日本の年金もアメリカのソーシャルセキュリティも「両方減額されずに全額頂きたい」という方は、年金の請求を考える前にまず私にご連絡下さい。

しかし・・・ いったいどんな書類を受け取って帰ってきたのか(?)興味がありまして、上の写真だけ送って頂いた次第です。 以下、文面をタイプ&和訳します。

We need the information listed below in connection with your Social Security Benefits.

あなたがソーシャル・セキュリティの給付を受けるにあたり、下に挙げた情報が必要となります。(中略)

Have you retired and started receiving Social Security or a private pension from a foreign country based on earnings not covered by Social Security?

YES                    NO                   (Check One)

あなたは退職しており、かつ(連邦政府の)社会保障制度でカバーされていない所得にもとずく社会保障または国外からの私的年金を受け始めていますか?

はい、いいえで答えなさい。

【解説】Pension の前に Private という言葉がありますが、日本の老齢厚生・基礎年金は公的年金であり、この「私的」には当たらないのでは(?)という考え方もあると思います。 が、これらの質問はアメリカの社会保障省の立場で聞かれていますので、ソーシャル・セキュリティ以外の保障給付はすべて Private とみなした方が妥当です。

If NO, when do you expect to receive a pension?

MONTH                      YEAR                

上の答えが「いいえ」の場合、いつから年金を受けますか?

What is the earliest date you could have received a pension had you stopped working and made application?

MONTH                      YEAR                

退職して申請をして、年金を受けられる年齢のうち一番早い時期は?

If you have retired, when was your pension first effective?

MONTH                      YEAR                

既に退職している場合、年金の受給資格が発生した日はいつですか?

Please read the attached fact sheet, “Windfall Elimination Provision” (SSA Pub No. 05-10045).

別紙「棚ぼた防止規定」を読んでください。(米国社会保障省公文書番号 05-10045)

【ご案内】棚ぼた防止規定の和訳はこちら

日本の年金受給者のうちアメリカ在住者の情報は、海を渡ってIRSとSSAに流れています。 これでも「私はバレないだろう」と思います?

※ これから日本の年金を受け始めようという方で、日本・アメリカの両方の年金を1ペニーも減額されることなく、しかも非課税で受けたい方は、私まぁこまで(連絡先は右サイド)ご相談下さいませ。 これからあなたが受けとる日本の年金が「WEP減額対象の非該当」となる申請を、SSA(米国社会保障省)に対して行います。

*既存のクライアントにおいては、年金の請求手続きの際にこの「フラグ」除去作業を済ませています。 皆様のソーシャル・セキュリティが減額されることは生涯ありません。 また日米両国に非課税対策も実行すみです。 ご安心下さい。