アメリカ在住 45歳。いまから国民年金保険料を払うのって、どうなの?

40代でも50代でも、いまから国民年金の保険料を支払うの、推奨します!

私がそうしたからです。 追納もできるならその保険料も支払いましょう!(※1)。

ただし、

棚ぼた防止規定 WEP: Windfall Elemination Provision の減額対象となります。そこは注意!

45歳というと、気の早い人は老後のお金や生活費が足りるのか(?)不安ですよね。

在米日本人は老後の準備が早め、と、この年金記録の復旧作業を19年やってて感じていることです。 貯金額やほかの資産が多い人ほどこの傾向にあります。 請求手続き代行の予約が一番多く入っているのも50代、次に40代です。

アメリカに住んでいる日本人・モト邦人の老後の生活で「いくらかの足し」になるのが日本の老齢年金ですが、社会保障制度に関する説明を読むと、だいたい聞いたことのない難しい用語が出てきてますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。

今日は、現在45歳でそれまで国民年金の保険料を払ってこなかった方からの質問に答えながら解説します。

在米・独身・45歳。これから国民年金保険料を払って、将来年金をもらうことは可能?

Q:
まぁこ様、私は現在45歳、カリフォルニア州に住んでいます。27歳のときにアメリカの大学に行くことを決め、卒業してから主にIT企業でいろいろなところに勤めました。が、働き始めた年齢が遅かったので、ソーシャル・セキュリティ・タックス(SSA税)を納めた期間が現在合計12年しかありません。

この先60歳、たとえ70歳まで働いたとしても、WEPの減額対象外となる35年(※3)に達することはないでしょう。

 

最近になって日本にいる母親が、「国民年金の保険料を払う援助をしようか?」と提案してくれました。 それなら、いまからでも国民年金に任意加入して保険料を払いたいと思っています。

将来年金をもらうことは可能でしょうか?

満額ではありませんが、年金を受け取ることはできます

まず最初に、

棚ぼた防止規定(WEP: Windfall Elemination Provision)による減額は、ソーシャル・セキュリティのクレジット数が年数で35年あれば対象外(※3)となる、ということをご存知。 素晴らしいです。 よく勉強されてますね。

A:
国民年金は、日本に住んでいる限りは強制加入となり20歳から60歳までの人が加入しなければならない年金保険制度です。

つまり、40年間(480カ月)の保険料を支払って、はじめて満額(令和4年度:77万7千8百円 ※2)を受け取ることができます。

国民年金に加入すると、老後に(65歳から)受け取れるのが老齢基礎年金です。 老齢基礎年金は、受給資格期間(国民年金保険料納付済期間や合算対象期間、保険料免除期間等の合計)が10年間あると受け取ることができます。

国民年金保険料は、保険料の納付期限(納付対象月の翌月末)から2年間、さかのぼって納付することが可能です(※1)。 過去に免除申請さえしていれば、現在でも10年間をさかのぼって(バックデート)納付できることとなります。

ここまでお話して、ハタと思った方がいますね?

そもそも、私は国民年金の制度に加入しているのか?

保険料納付の免除申請を行う、どころのレベルではない。 入っていない人は今からでも遅くない! 一時帰国するか、できない人は家族・親族にお願いして、まず任意加入しましょう。

未払いになってしまった期間はもちろん、その期間に対応する部分の年金額は「0円」です。 ちなみに、全額免除の申請をしている人だと、正規の金額の2分の1(半額も!)もらえます。 保険料をぜんぜん支払っていなくても免除申請をしているだけでいくらかもらえるんですよ~

現在45歳ですから、今からさかのぼって支払える2年分、これから60歳まで支払うとして15年分、任意加入制度で60歳から65歳になるまで支払って5年分を足しますと、合計22年分(264カ月分)の国民年金保険料を納付することができます。

満額の480カ月には及びませんが、受給資格期間も満たしますし、将来、年金をもらうことはできます。

令和4年度の満額の老齢基礎年金額(777,800円)をベースに計算しますと、

777,800円 x 264(ヶ月、22年分)÷ 480(ヶ月、40年分)= 427,789円

となり、年間にもらえる老齢基礎年金額は、約42万7千8百円、月額35、650円となります。

※1 追納が10年遡ることができたのは平成27年9月30日まで。現在は過去2年分まで追納できます。

※2 老齢基礎年金の満額は今年令和3年度より下がり始めています。これからも減る傾向にあります。

※3 棚ぼた防止規定(WEP: Windfall Elemination Provision)2ぺージ目にある3番目の表を参照下さい。

これから日本の年金を受け始めようという方で、日本・アメリカの両方の年金を1ペニーも減額されることなく、しかも非課税で受けたい方は、私まぁこまで(連絡先は右サイド)ご相談下さいませ。 これからあなたが受けとる日本の年金が「WEP減額対象の非該当」となる申請を、SSA(米国社会保障省)に対して行います。