毎日お電話の相談を受けておりますが、今日はその中でよくある質問(というより誤解)を3つ挙げておきます。
Q1 まぁこさんの連載に、「日本の国民年金は昭和36年4月1日に発効された」と書いてありました。私は昭和36年よりもっと前に日本で働いていた者です。ということは私の場合、年金は受けられないのでしょうか?
A1 勘違いされています。昭和36年に発効されたのは、国民年金の方です。会社員・公務員は厚生年金に加入していることになります。厚生年金保険法は、昭和29年5月19日に施行されました。西暦ですと1954年です。
終戦が1945年ですが、終戦直後に勤労できる年齢(例えば19歳)であった方は、1926年(大正15年・昭和元年)前後に生まれですね。この方々が28歳の時に、厚生年金保険法が発効されています。
お客様の中で最高齢の方は現在93歳(大正13年・1924年生まれ)ですが、この方が30歳の頃に厚生年金が始まりましたので、30歳からの職歴をもとに現在老齢基礎・厚生年金を受けています。
Q2 日本で一度も働いたことが無いのですが、アメリカに在住して30年になります。アメリカに住んでいるだけで本当に日本の年金がもらえるですか?
A2 ブログを読まれている方は問題ありませんが、紙面で私の連載を目にされた方に少なからずこの質問をする方がいます。そうですねえ、アメリカに住んでいるだけで日本の年金がもらえるのかと思うかも・・・
原則、日本で働いたことがある人、あるいは働いたことはなくても国民年金保険料を払っていた方が年金を受けられます。
しかしここにも例外があります。日本で一度も働いたことが無い方、保険料を1カ月も払ったことがない方でも年金を受けられる例が2つあります。
1つは第3号被保険者の方。サラリーマンや公務員の配偶者だった方です。専業主婦だった方が挙げられます。
もう1つは沖縄特例*に該当する方。昭和36年4月1日~昭和47年5月14日の間に沖縄に住んでいたことがある方です。
Q3 現在50歳です。私が日本で働いていた頃、人材派遣業者を通していろいろな会社で派遣社員として仕事をしていました。どれも短期か、長くても3か月ほどの期間でした。私は厚生年金を受けられますか?
A3 この方が独身であることを前提に結論を言いますと、受給できる可能性はほとんどありません。下の厚生年金保険法抜粋をご覧ください。
(適用除外)
第12条 次の各号のいずれかに該当する者は、第9条および第10条1項の規定にかかわらず、厚生年金の被保険者としない。(中略)
(2)ロ 2カ月以内の期間を定めて使用される者
働く期間を2カ月と定め、「3カ月目の初日に更新」という雇用形態だった場合がまさにこれに当たり、厚生年金に加入していなかった可能性が高いと思われます。
現在、2カ月を超えて引き続き使用される者に対しては、(勤務の実態が一定の条件を満たす場合には)派遣元が厚生年金のベネフィットを提供するようになっています。
しかしこの方は現在50歳。日本で働いていた頃といいますと20~30年前のことですから、当時は厚生年金に加入していなかったと考えるのが妥当です。
*沖縄特例に該当する者はその自己申告で特例を認められたが、現在はこの受け付けを締め切っている。
※ これから日本の年金を受け始めようという方で、日本・アメリカの両方の年金を1ペニーも減額されることなく、しかも非課税で受けたい方は、私まぁこまで(連絡先は右サイド)ご相談下さいませ。 これからあなたが受けとる日本の年金が「WEP減額対象の非該当」となる申請を、SSA(米国社会保障省)に対して行います。