加給年金って何? いくらもらえるの?

まず、ドメスティックパートナーを含む配偶者と子ども

加給年金は、企業が支給する「家族手当」の年金版だと思って下さい。

配偶者(内縁の妻・夫やドメスティック・パートナーを含む)と子供に加算される年金です。

しかし家族であれば誰にでも支給されるのかというとそうではなく、「一定の条件を満たす」配偶者とその子供(にも条件あり)に加給されます。

まず配偶者・内縁の妻夫・ドメスティックパートナーの条件ですが:

  1. 夫(または妻)が20年以上、第1号から第4号厚生年金(旧共済年金も含む)に加入している

アメリカに住んでいる皆さんはこれを読んで、「あら、もうダメじゃん」と思われたはず。 だって、米国内に住んでいて日本の厚生年金保険(旧共済を含む)に加入していた期間が20年以上有る人なんてまずいないからです。

仮にもしいるとしたら、日本に住んでいた頃に日本の会社に勤めていてそのままアメリカの法人に駐在員として派遣され、その後も日本の厚生年金保険料を払い続けていた方に限られるでしょう。

ですが、そうでない方もご安心ください。 日米間の社会保障協定(2005年10月1日施行)というのがありましたね!?

この協定により、アメリカ国内で働いてソーシャル・セキュリティ税(SSA税)を支払い続けていた期間も厚生年金保険加入期間と同等と認められるようになったのです。

上の経歴のクライアントさんは、日本での厚生年金保険料を納めた期間は6年間ですが、アメリカの会社にお勤めの期間(フォームW-2の雇用形態で被用者として働いた期間)が32年もあります。 この6年と32年をたしてゆうに条件の「20年以上」を満たしていますので、この方の妻はお手続きをした時点からずっと今日まで、日本の老齢厚生年金の加給年金を受けています。

上のクライアントはSSA税を支払った期間が32年ありますが、条件ですと14年あれば加給年金の加算対象が計20年を満たします。 日米両方の被用者期間(厚生年金保険加入期間)が20年以上あれば良いのです。

こういう人が他にもたくさんいると思うのですが、米国内在住者で自分で日本に行って年金の手続きをする方にわざわざ日本年金機構の職員が「配偶者もドメスティックパートナーにも年金でますよ」とは言ってくれません。 自分が知ってなきゃもらえないってことですから、心に留めておいて下さいね。

そのほかの条件としては:

  1. 65歳時点で生計維持をしている65歳未満の配偶者がいる
  2. 配偶者が20年以上の厚生年金期間による特別支給の老齢厚生年金をもらっていない

  3. 配偶者の年収が概ね850万円未満である

一方、子どもに対する加給年金には以下のような条件があります。

  1. 65歳時点で生計を維持している18歳の年度末(高校卒業)または20歳未満の障害1、2級の子どもがいる

65歳の時点で18歳未満の子供がいるという事例はめったにありません。 が、アメリカの場合養子縁組があります。 血縁関係がなくても同居して生計を維持している子供が18歳未満の場合には支給対象になります。

 

  1. 父(または母)が20年以上、第1号から第4号厚生年金(旧共済年金も含む)に加入している

加給年金はいくら?

加給年金は、年金をもらう本人が65歳になってから配偶者が原則65歳になるまで、子どもなら18歳の年度末(障害1、2級の子は20歳)まで支給されます。

配偶者の加給年金は受給者の生年月日で違いがあります。

実は年金をもらう人の生年月日によって、配偶者の加給年金額は異なるのです。「特別加算」の額が年金受給者の生年月日により決まっています。特別加算も加えた加給年金額は表の通りです。

特別加算は、加給年金をもらう人の生年月日によって異なります。昭和18年4月2日以降の人に手厚いです。

配偶者の加給年金に特別加算がつくには理由があります。

年金をもらう人の年齢が若くなるごとに、老齢厚生年金の単価や乗率が下がっています。つまり年金額が減額されているのです。年金を受けられる年齢はどんどん上がっています。若い人ほど減額された年金を遅い年齢で受け取るような仕組みになっています。

そのため、せめて家族手当である加給年金は年金をもらう人が若くなるほど手厚くし、夫婦とも65歳になったときに年金水準が上の世代と比べて著しく低額にならないように「特別加算」をつけているのです。

一部の公務員を除き、昭和41年4月2日生まれ以降の人は男女を問わず、年金が原則65歳支給になり、現在ある「振替加算」もなくなります。年上妻や働く妻が損をしがちだった年金も将来的には変わっていきます。

特別加算のついた加給年金、たくさんもらうには?

加給年金をたくさんもらうのは「歳の差夫婦」です。それも、特に年上の方が厚生年金に20年以上勤めてがんばり、65歳以降も夫婦が円満であれば、年上の方が65歳になってから年下の方が65歳になるまで加給年金額をもらい続けることができるのです。

※ これから日本の年金を受け始めようという方で、日本・アメリカの両方の年金を1ペニーも減額されることなく、しかも非課税で受けたい方は、私まぁこまで(連絡先は右サイド)ご相談下さいませ。(有料)SSAに対し減額対象の非該当申請を実行します。