「黒革の手帖」あの銀行口座は・・・

いま放送中の「黒革の手帖」はテレビ朝日の十八番(おはこ)になりました。1982年から5度もテレビ化されています。

最初の放送の主演は山本陽子さんだったそうで、さすがにこの放送は覚えてません。もともとが金融機関のOLさんから転身された女優さんで、真面目そうな銀行員から強靭な悪女へとさぞハマり役だったであろうと想像します。

現在のドラマは始まる前から、「あの子で大丈夫なの?」と心配された武井咲さんですが、意外や熱演、悪女ぶりも立派なもので、視聴率も良いようです。

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1つ前の主演の米倉涼子さんはすごかった、ゾッとするほどの美しさ、アザとさ。それでいて視聴者は「捕まらないで~、逃げのびて~」と懇願する、あの悲壮感っぶり。舞台では今でも米倉さんが上演されてるそうで。

原作は日本人なら必ず何作か読んでいるであろう松本清張。バッチリ自慢するが、巨匠の作品はすべて読んでいる。出版されていない作品も含めて!

最初に「黒革の手帖」を読んだのは単行本になってからですが、後になって1978年から連載されていた当時の週刊新潮を1葉ずつ資料館で読むことができた。

その頃と今のドラマとでは、ずいぶんと背景が違っている。まず80年代にはまだ、携帯電話は普及していなかった点。2つ目に、主人公の原口元子(はらぐち・もとこ)は原作では正規の銀行員だったのが、現ドラマでは派遣社員で雇用期間を切られてしまうという設定になっている。

だけど一番違う点はというと、銀行の架空口座が80年代、いや巨匠が構想を練った70年代においては架空名義の銀行口座なんて三文判さえあれば、簡単にしかも無限に開けられたことだ。

現在はそうは行かない。日本も「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約」を批准する為、平成15年には「口座開設時、必ず本人確認をすること」という法律が制定されたからだ。この法律は平成20年に少し改正されて現在に至る。

日本の住所を証明する書類、運転免許証やら住基カードやら写真入りIDを銀行で本人確認してもらわなければならなくなった。

放送中のこの番組を視てると、美容整形の院長や予備校の経営者は「どうやって架空名義口座を作ったか?」って疑問がまず湧く。

公文書を偽造して、架空の住民票とIDを作ったのか?

まあ、「きっと、ず~っと昔から架空口座作ってたんでしょうね」でドラマの方は一応かたづけてはいるけれども。

何が言いたかったのか?と。年金の受取金融機関の口座の話です。

最近「日本に銀行口座を作って、年金は日本の口座で受け取りたい」という相談が増えました。日本の年金は日本国内で受け取れば非課税です。こういう電話が増えたのも、IRS(国内歳入庁)に税金を申告しなくても良いと私が記事にしたせいですね。

そもそもが、日米間の租税条約について理解していれば、アメリカ国内の銀行で受け取っても(私ならば)非課税にできるのですが、それを理解していない人たちがまだ大勢いそうです。

ただし:

a) 65歳以下で日本の年金だけで年間72万円を超える
b) 66歳以上で日本の年金だけで年間120万円を超える
c)  アメリカ国内ですべてのペンション(アメリカ合衆国以外からの年金、ソーシャル・セキュリテイや個人積み立ての引き出しの総額)がIRSが毎年に決める一定額を超える

上の1つ以上に該当する方は、日本に銀行口座を持った方が絶対に良いです。

「そんなの簡単じゃん!楽天銀行か新生銀行で日本に口座を開けられるよ」と言う人が出てくるかもしれませんね。確かに、日本の実家や親族の住所を使用して海外在住者でも口座は開くことができます。

ですが! 楽天銀行か新生銀行では海外在住者はその国の(アメリカで言うと)社会保障番号(SSN)を必ず申告しなければならないの。その年の税申告でバレなくても、数年後には捕まりますよ。

お客様ではない方で、IRSから警告状が来てJAILに入る直前に電話を下さった方がいました。そうなってからでは、どうにも助けることはできません。結局2万ドルの罰金+保釈金を支払ったとのことでした。

ではどうするか? ずっと以前から日本に銀行口座を持っている人で常にメンテナンスを怠っていない方に関しては問題ないです。年金受取機関変更届(ねんきんうけとりきかんへんこうとどけ)を私が手配できます。自分でやらないでね。大変なことになるから。最悪なのが年金の支給停止です。私まぁこが迅速に合法的に手配します。

さて、日本に口座はあるけどずっと放置していたという方。これは残念ながら今さら使おうとしても銀行に問い合わせた時点でアウト! 金融機関はすべて非居住者口座への移行を求められているので、こういう人は社会保障番号の申請が必要になります。

一番確実な方法は「本人が日本へ帰国して住民票を一時期だけ日本へ戻す」です。その上で写真入りIDをもって銀行へ行けばよいのです。日本の運転免許証がまだ有効な人はそれを、日本国パスポートを持っている人はそれを持参して下さい。本人が写真入り身分証を持っていない限り、金融機関の口座を開けることはできません。

この際、昔のシティ・バンクで設けられていた「円ドルどちらも口座」みたいなの、薦められないようにご注意下さいね。社会保障番号を求められますよ。

※ これから日本の年金を受け始めようという方で、日本・アメリカの両方の年金を1ペニーも減額されることなく、しかも非課税で受けたい方は、私まぁこまで(連絡先は右サイド)ご相談下さいませ。 これからあなたが受けとる日本の年金が「WEP減額対象の非該当」となる申請を、SSA(米国社会保障省)に対して行います。