トランプ政権に替わってはや2ヶ月になろうとしています。 関税措置を推進するにあたり、貿易主要国のカナダやメキシコと関税率をお互い上げるという「そっちが〇〇%なら、こっちは・・・」 子供の喧嘩のような合戦を繰り広げてくれたおかげで、アメリカの有価証券市場はガクンと落ちたのが過去2週間。
昨日あたりからようやくNY市場はもちなおしてきました。
日本円はというと、本日 $1 = 148.90台で推移しています。
アメリカが居住国であって日本から老齢年金を受けていらっしゃる方にとっては、日本円がこんなに安くなるなんて・・・ とさぞ心細いことでしょう。 手続きを代行した私も心苦しいです。
私が日本の年金の仕事で起業した2003年の年末(12月31日)の月中平均では、$1 = 107.89円 でしたから、41円も下落。 これは、日本から送金される年金の2カ月分(日本の年金は隔月で送金される)が10万円の人は、2003年においては926ドルだったものが、今年だと671ドルになってしまったわけです。
もともと貰えるとは思ってなかった年金、とは言えどんどん少なくなるのは心細い
と暗いニュースを長々と書きましたが、本日のテーマは
日本の年金はコスパが高い!
え? 「テレビや動画のインタビューで一般の人が答えてるのを見ると、『毎月の年金が少ない、足りない』『年金だけで生活できない』って言ってますけど。。。」
それは私が思うにですね・・・ 日本のテレビ局が制作する番組や動画では、「年金だけでは食べていけない」と言っている高齢者にスポットをあてることで、視聴者の不安をあおり、国の政策に非難を集中させるという、短絡的な視聴率アップ戦略に多くの人がひっかかっているという状況なんです。
2カ月ごとに頂く日本の老齢年金が数万円しかない、という方は、現役時代に自営業で保険料を支払った期間も40年満たないか、あるいは会社員であってもお勤めだった期間が短くて、40年間みっちり社会保険料を支払ってなかった方々だと思うのです。
厚生年金に40年加入(大卒22歳~定年まで)していた方だと、受給額は最高額でも30万円(月額)、2カ月分で60万円です。
アメリカのソーシャルセキュリティのリタイアメントも、上限が3000ドルです。
ところがこれが、自分が過去現役で働いていた頃に支払っていた
保険料と実際に受ける年金額とを比べてみたらどうなんでしょう? つまり、コスパ?
アメリカのSSA税(ソーシャル・セキュリティ・タックス)は、総所得の7%です。
もともとソーシャル・セキュリティ・タックスの課税対象額には所得の上限があって、年間12万ドル($120,000)です。 この上限よりずっと年収が高い人でもどんなに稼ごうとも、ソーシャル・セキュリティ・タックスの控除額は、この年収12万ドル(最高額)の7%までとなります。
年間のソーシャル・セキュリティ・タックスの額は:
$120,000 x 0.07 = $8,400
となります。 アメリカの場合、年間$8,400の保険料、月に$700もの保険料を支払っているのですよ!!
では、日本の厚生年金保険料はといいますと、年金受給最高額30万円の方が過去40年間に支払っていた保険料の月額は、1,875円(月額)です。
わずか、1,875円!(月)ですよ
コスパを計算しますと、
300,000円 ÷ 1,875円 = 160 160倍です。
月1,875円の保険料で、毎月の年金受給額が30万円。 コスパは160倍。 すごくないですか!?
これに対し、アメリカのソーシャル・セキュリティは4.28倍です。
$3,000 ÷ $700 = 4.2857…
以上、日本の年金のコスパは「ハンパじゃなく良い!」という話でした。 日本の年金を保険(Insurance)と呼ぶのは納得です。
掛け金の160倍にもなるんだから。
