加給年金の計算のしかた

このところ、加給年金の話題が続けてでてきましたが、

いったい加給年金って、おいくら?

という質問がありました。 そこで、アメリカに住んでいる方やアメリカに限らず日本国外に住んでいる方がもらえる、配偶者を対象の加給年金の計算のしかたについて解説します。

まず原則から

配偶者を対象に支給される加給年金は、

  • 厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある方※1が、
  • 65歳到達時点
  • その方に生計を維持されている配偶者がいる場合

加算されます。

その配偶者の条件ですが、

  1. 65歳未満である、
  2. 被保険者と同居していること(別居の場合でも仕送りをしている、健康保険の扶養親族である等の事項があれば認められます)
  3. 配偶者自身の前年の収入が、850万円未満であること。または所得が655万5000円未満であること

の3つが満たされていなければなりません。

65歳到達後に被保険者期間が20年(※1)以上となった場合は、在職定時改定時、退職改定時あるいは70歳到達時に生計を維持されている配偶者に加算されます。

これまで何度も書きましたが、加給年金はこの制度を知っている人にのみ支給されます。 自ら届け出ることが肝要です。

知っている人だけに支給されてました 振替加算と加給年金

配偶者につく加給年金の金額は年間で、223,800円

です。

この222,800円(年間)に、老齢厚生年金を受けている方(受給者)の生年月日に応じて、さらに以下のような特別加算金が支給されます。

配偶者加給年金額の特別加算額(令和4年4月から)
受給権者の生年月日 特別加算額 加給年金額の合計額
昭和9年4月2日から昭和15年4月1日 33,100円 256,900円
昭和15年4月2日から昭和16年4月1日 66,000円 289,800円
昭和16年4月2日から昭和17年4月1日 99,100円 322,900円
昭和17年4月2日から昭和18年4月1日 132,100円 355,900円
昭和18年4月2日以後 165,100円 388,900円
さて、ここまでが原則です。 では、

アメリカに住んでいる(あるいは住んでいたことがある)人はどうなの?

という本題に入ります。

上の原則の、※1(緑太文字)をご覧ください。 被保険者期間が20年以上ある方※1、とありますね?

この被保険者期間には、日本での厚生年金保険加入期間に加え、アメリカでソーシャル・セキュリティ税(SSA TAX) を支払っていた期間が通算されます。(日米社会保障制度加入期間の通算)

日本で会社員として勤めていた期間が10年(120ヶ月)ある方で、渡米してから何らかの形で働いてソーシャル・セキュリティ税を納めた期間が10年ある方は、合計で20年となって、めでたく加給年金の支給対象者となります。

が、しかしこのソーシャル・セキュリティ税を納めた期間は、資格の期間に認められるものの、支給額には反映(影響しません)。 加給年金の支給額の計算の基礎となるのは、日本で会社員として勤めていた期間の10年(120ヶ月)のみとなります。

したがって、上の方が昭和18年4月2日以後生まれだとしますと、

223,800円 x 10年(120ヶ月)÷ 20年(240ヶ月)

で計算しまして、半額の 111,900 円(年間)となります。

これから日本の年金を受け始めようという方で、日本・アメリカの両方の年金を1ペニーも減額されることなく、しかも非課税で受けたい方は、私まぁこまで(連絡先は右サイド)ご相談下さいませ。 これからあなたが受けとる日本の年金が「WEP減額対象の非該当」となる申請を、SSA(米国社会保障省)に対して行います。