衆議院選挙が終わり、高市早苗氏が首相に再選され、内閣も前回とほぼおなじ顔ぶれという、安堵かつ期待できる政権となりました。とくに、財務大臣は当然ながら片山さつき氏が続投、あたりまえですが国民への年金支給にまわすお金の扱い方には充分に配慮されるものと期待しています。
ここでおさらいですが、昨年(令和7年)5月に成立した年金制度改革法においては、下の表の項番5「将来の基礎年金の給付水準の底上げ」が重要なキー項目だったわけですが、確認しましょう。
改正とくに「基礎年金の給付水準の底上げを視野に入れ、マクロ経済スライドの同時終了を検討する規定(赤文字部分)」は、将来世代にとって一定の安心材料になり得る内容です。
今後、高市早苗首相と片山さつき財務大臣のお二人で、年金制度改革法はどう具体化・実現されていくのか、私見ながら、できるだけ中立的に整理してみました。
① 基礎年金の「底割れ回避」策の具体化
今回の改正条文は「必要な法制上の措置を講ずる」と規定しており、将来の財政検証の結果次第で実行されます。
高市氏はこれまで
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財政規律を重視しつつも
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成長戦略を通じた税収増を志向する傾向
がありました。
想定される方向性
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マクロ経済スライド終了時期の前倒し検討
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基礎年金の国庫負担割合の見直し
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税財源の再配分(消費税の使途の再整理など)
といった議論が具体化するでしょう。
② 財源確保と給付抑制のバランス
財務大臣の片山さつき氏は、

- 年金積立金の安定運用
- 将来世代への過度な負担回避
- 財政均衡との整合性を重視する可能性が高いです。そのため、給付水準の底上げを行う代わりに
- 支給開始年齢の柔軟化
- 高所得高齢者への給付調整
- 保険料上限の見直し
といった「給付と負担のセット改革」がより具体的な形で実現されると期待しています。
③ 所得再分配機能の強化
今回の改正は「公的年金制度の所得再分配機能の低下」を問題視しています。
今後の焦点は:
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低所得層への基礎年金強化
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厚生年金とのバランス調整
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非正規雇用者の適用拡大
といった方向性です。特にパートやフリーランス層の年金保障は、今後の重要テーマになるでしょう。
④ 経済成長とのリンク
高市氏の経済政策思想は、成長重視型と感じています。 これまでの歴代総理の「だれがやっても同じ」型から、この人が首相になったからには、日本の経済は変わると思います。とにかく、国民の活気が違います。
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実質賃金上昇
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雇用拡大
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女性・高齢者の就労促進
を通じて保険料収入を増やし、「労働者個々が稼ぐ、稼ぐから給付水準は向上、それならば多少の保険料は納めても文句はない」という国民の意識を変えつつ、社会保障制度を安定させるという戦略を取るでしょう。
現実的に考えられるシナリオ
今後の年金改革は、次の3つのバランス次第になります。
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少子高齢化の進行スピード
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経済成長率
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政治的合意形成の難易度
給付改善だけを単独で行うことは難しく、
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給付改善
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負担増または再配分
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制度持続性の確保
の「三点セット」になる可能性が高いです。
年金受給者および将来の受給者にとっての意味
今回の改正条文は、「基礎年金が想定以上に下がるなら、見直す可能性がある」と「合計額が減る場合は緩和措置を検討する」というセーフティネット条項が入った点が重要です。
また将来世代としては、
✔ 最悪シナリオを放置しない
✔ 財政検証結果に応じて是正措置を取る
という「制度の柔軟性」が明文化されたことが前向き材料と言えます。


