年金はどこから来るの?(年金資金の運用・投資)

日本国の年金積立金を市場運用するようになってから早、20年が経過しました。(2001年開始) 今回の記事は、2020年9月26日にアップしたものを、本日2021年10月22日に更新するものです。

ちょいと堅い話になりますが、皆さんの年金、そのお金はどこからくるのかご存知ですか? とうぜんながら、一部は20代から50代の若い層が収めている年金保険料から賄っているわけですが、国はそれを元金(年金積立金)として運用しています。 また国民や企業が支払う税金の一部も年金積立金に充てられています。

20年前(というとずっと昔のようですが)、特殊法人・年金福祉事業団というのもありました。 ここが年金の基金を管理していました。 が、年金積立金も市場で運用、つまり国内や外国の株・債券その他の有価証券に投資して増やそうではないかという話になり、2001年(平成13年)より年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF – Government Pension Investment Fund)として年金積立金を運用しています。

ざっというと、国の年金のためのお金で国債・株式投資しているということです。

年金積立金管理運用独立行政法人のポートフォリオは、2021年6月末現在で、国内債券、国内株式、外国債券、外国株式がちょうど、4分の1ずつ(25%前後)に分かれていることが下の円グラフで見てとれます。

出典:年金積立金管理運用独立行政法人 2021年6月

さて、肝心の運用状況については下のグラフをご覧ください。

 

出典:年金積立金管理運用独立行政法人 2021年3月

上がその運用実績です。 悪くないですよ。 つーか、累積100兆3000億円ってすごくないですか!?

GPIFのファンドマネージャーって相当優秀らしいです。 もちろん実際には民間の証券会社のファンドマネージャーが運用しているのですけどね。

なぜこんなにGPIF(=国)が必死になっているかと言うと、そうです。日本の人口が減少し続けているからです。保険料を納める人の数がガーッと減っているからです。外債だろうが外国株式だろうが、四の五の言わないで投資・増資していかなければならないのです。

日本国内の若年層の中には、「自分たちが支払った保険料を高齢者の年金に充てている、国のねずみ講だ」などというアホもいるのですが、実際には上のように国は年金積立金を運用して何倍にも増やしていることで、現在の年金受給者への支給額を賄っているのです。

余談ですが今年のはじめ、GPIFが年金積立金をアメリカの武器を製造している企業に投資しているということで非難を浴びました。

私としましては、この19年間の年金受給のお手伝いという仕事で、累積7億円の日本円をアメリカへ送金させてきたものですから、かなりギルティに思うところはあったわけです。

ですが、このお金はもともとはアメリカのお金であって、それをGPIFが積立金運用で収益を上げて、めぐりめぐって年金という形でアメリカにドル建てで戻ってきたと思うことにしております。

テキストロン社に限らず、GPIFは多くのアメリカの企業の株式に投資していますから、そう思うと少し罪が軽くなったような気がします。

2017年4月8日東京新聞朝刊
公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、人道的見地から国際条約や法律で禁止されているクラスター(集束)弾を製造する米国企業の株式を保有していることが七日、分かった。
クラスター弾は空中で多数の子爆弾をばらまくため、殺傷力が高く民間人の被害も絶えない。日本でも製造や所持は法律で禁止されているが、政府は同日、「製造する企業の株式を保有することは禁止されていない」との見解を閣議決定した。民進党の長妻昭衆院議員の質問主意書に答えた。
GPIFが投資しているのは「テキストロン社」。二〇一五年度末の時点で約百九十二万株を保有していた。同社は昨年、クラスター弾の製造を中止する方針を明らかにしている。GPIFの担当者は「国内外の株式市場全体に投資しており、一部の企業を対象から除くことはできない仕組みになっている」と話した。


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