年金の仕事を15年も続けていますと、クライアントの中にもそろそろと亡くなる方がいらっしゃいます。お葬式にも何度か参列しました。
これが15年前ですと「せっかく年金を受け始めたんですから、これからまだ元気に長生きして下。私が死んだらとか、そいう縁起でもないことを言うのはやめましょう」と一蹴していたこと、そう
遺族年金のことでここ数年は質問が多くなってます。
その中から比較的多い質問について回答します。 なお、アメリカ在住の受給者の場合は必ず遺族厚生年金となりますので、ここで一般に使う遺族年金は遺族厚生年金を指します。
Q1 遺族年金が支給される条件は?
・老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき。 昨年、日本の厚生・基礎年金の受給資格期間はぐっと短縮されて10年になりましたが、遺族が遺族年金を受ける場合にはやはり資格期間は25年要します。
しかし、アメリカに在住している方は本人の意思とは関係なく嫌でも25年以上の受給資格期間があります。 アメリカに25年以上住んでいるだけでも受給資格者となりますから、この条件は読み飛ばして頂いて結構です。
・障害1級、2級の認定を受けた障害年金の受給者が死亡したとき。
Q2 遺族年金は誰が受けられますか?
これは、亡くなった受給者によって生計を維持されていた、
- 妻 (30歳未満の子のない妻は、5年間の有期給付となる)
- 子、孫(18歳到達年度の年度末を経過していない者、または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の者)
- 55歳以上の夫、父母、祖父母 (支給開始は60歳から)
以上は優先順です。 3つの条件に当てはまる複数の人で分け合って受給するものではありません。
Q3 老齢厚生年金を受けられる加入期間を満たしている夫が年金を受けられるとは知らずに亡くなりました。あとになって、私(妻)がこのことを知ったのですが、なにか年金のようなものは受けられますか?
もちろん、亡くなった方の受給資格期間が25年以上あるなら、妻であるあなたは遺族厚生年金を受けることができます。
たとえば、故人が日本での職歴が2年あり、その後渡米して23年以上アメリカに在住していた場合、故人には25年以上の老齢厚生年金の受給資格が既に発生しています。 したがって、妻はその遺族年金を受けられます。
また、故人と同居しており生計を共にしていた子供、父母、孫、祖父母にもこの遺族年金の受給権は発生します。
受けられる順番は妻が最優先ですが、順位も上と同じです。妻は年齢に関係なく遺族となります。子供や孫が18歳に到達した以後の最初の3月31日を過ぎていないか、20歳未満で1級または2級の障害の程度であること、夫、父母、祖父母は55歳以上であることが必要です。