カラ期間が足りない? ほかにもある!合算対象期間と通算期間

アメリカに住んでいるからもらえる日本の年金

タイトルのとおり、アメリカ在住のアナタがもしも日本在住で海外に在住したことが無かったとしたら、日本の老齢年金などは受けられなかったはずです。 10年あるいは25年の年金制度加入期間が無い限り。

アメリカに住んでいるからこそ、日本で働いた期間が数年であっても年金が受けられる・・・

この皮肉なカラクリを利用するには、カラ期間(合算対象期間)をよ~く理解しておくことが要です。

よく支給要件に上がる合算対象期間とは、「日本の国籍を有するまま日本国外に在留していた期間」のことを指しますね。

実はアメリカに何十年も住んでいるのにこのカラ期間(合算対象期間)が足りない、全部足しても年金の受給資格期間である10年または25年に満たない人がいます。

その多くは渡米直後に、比較的若い時期にアメリカの市民権を取得して日本国籍を喪失している方々です。 これは大使館や総領事館に国籍喪失届を出しているいないに関わらず、「日本の国籍を喪失している」という意味です。

ちょっと待って、私は日本とアメリカの両方の国籍を持っている などと言っている方はまず下のリンクから少し勉強してみて下さい。 日本の国籍は喪失しています。

日本は2重国籍を認めない国です – そのI

日本年金機構・様式第101号をの一番裏にはこの「日本の国籍を有するまま」が抜けていますが、これは年金機構が「年金の請求者は日本国籍のままである」ことを前提に書いているからです。

その文言を拡大したのが下☟です。

[日本年金機構公文書番号:様式第101号・4頁]

もし「合算対象期間を足しても資格期間が足りない!」方であっても、あわてないで。 ほかの合算対象期間が有るかどうか(?)検討してみて下さい。 そうです。 合算対象期間にはほかにもいろいろと有るのです。

まずは現在アメリカに在住している女性で、日本で一度(あるいは何度か)婚姻していたことがある方。 第3号の被保険者加入期間がある可能性があります。

どうやってその期間調べるの? と不安になると思いますが、大丈夫。 日本年金機構では、その第3号の被保険者加入期間を調査してくれます。

下の「合算対象期間(カラ期間)に関する申立書」をご覧ください。

この様式は実際に日本年金機構のどの年金事務所でも使用していますので、左を印刷しなくても最寄りの年金事務所のお客様相談室に出向かれて調査を要請すれば、申出書を提示してくれます。 ご心配なく。

申出書の1枚目、項番の②に「現在既婚者について現在の結婚が始めて(実際、誤字である。正しくは「初めて」)でしょうか?

さらに項番③に「現在独身者について過去に結婚されていたことはありませんか?」という質問がありますね?

ここに、当時の配偶者の情報を記入しますと、モト配偶者の年金制度加入記録について日本年金機構が調査してくれます。

ここで、というよりこの用紙の質問を見て新たな疑問が生じませんか?

当時の配偶者の職歴(社会保険制度の加入期間など)が日本年金機構で確認できなかったらどうなるのか?

大丈夫です。 その場合には別の様式が用意されています。 過去の配偶者が勤めていた会社の事業所名や所在地、期間等を記入することで配偶者の年金加入期間を調査してくれます。

合算対象期間にはこの他にも、学生免除期間などがあります。

また早くにアメリカ市民権を取った方でも、その後はアメリカのソーシャルセキュリティ税を支払っているならば、そのソーシャルセキュリティ制度の加入期間も日本の年金の受給資格期間に足して(通算期間)くれます。 この通算期間については、

アメリカのソーシャル・セキュリティの加入期間をたしてみる – 通算期間の考え方

をご覧ください。

※ これから日本の年金を受け始めようという方で、日本・アメリカの両方の年金を1ペニーも減額されることなく、しかも非課税で受けたい方は、私まぁこまで(連絡先は右サイド)ご相談下さいませ。 これからあなたが受けとる日本の年金が「WEP減額対象の非該当」となる申請を、SSA(米国社会保障省)に対して行います。