アメリカ在住の方で、日本では料理人さんだった方。現在アメリカで日本食レストランを経営なさっている方、多いですね~。
私の既存のお客様441名(2017年5月末)のうちレストラン経営者は2割として、その数88名。すべての方がもともと料理人だったかと言うとそうでもなく、脱サラして渡米、レストランをオープンというケースもあります。
さて渡米する前、日本で料理人として修業を積んでいたという方は、年金の記録に特にご注意いただきたいと思ってます。
先月、おそるおそるこんな相談を頂きました。
「あの~っ もしかして、まぁこさんに手続きを依頼していたら、年金の額はもっと高くなっていたのですか?」(ってことは既に年金受給手続きは済ませてるんですね・・・)
こういう質問をされたら断言することにしています。
「はい。私が手続きを代行した場合、まったく違った受給額になっていたでしょうね」
年金の支給額は、本人が覚えている年金記録と日本年金機構のデータベースに現在収められている記録のみを基礎に計算して決定します。
ここで思い出して下さい。持ち主が分からない年金記録のこと。
持ち主が分からないという年金記録は2200万件ですが、(9月8日)
2年ほど前、日本で調理師をしていた方が私の事務所へお越しになりました。
お会いしてお話を伺ったところ、この方はマチガイなく年金を受けられると判断しましたので、さっそく日本年金機構に照会をかけました。
通常、勤めた事業所が1箇所だけですと、記録の照会後4週間~2ヶ月ほどで回答がきます。複数回転職している場合、4ヶ月は見込んでいます。
ところが、この方は日本でお勤めだった料理店が16ヵ所もあるのに、日本年金機構からの回答が1ヶ月もたたないうちに返ってきました。
開けてみると記録が有ったのは1ヶ所のみ。加入期間はたったの11ヶ月。そんなはずがありません。機構はデータベースに載っている記録だけチョロッと照会した、そんな匂いがします。
はい、そうですかとあきらめるものですか(!)調査員を現地に派遣して独自に記録の掘り起こしを実行。
その結果、厚生年金記録がもう1件見つかりました。その上にナント! このクライアントは料理の修行を積みながら14軒の料理店を転々としていた間、個人で国民年金保険料を13年間も支払っていたことがわかりました。
ご本人もそのことをすっかり忘れていたそうです。11ヶ月分だけの年金と13年(+11ヶ月)では大きな違いです。額にして年間4万円だった年金は51万円になりました。過去の5年4ヶ月分は遡って支払われましたから、第1回目の支給額はおよそ24,500 ドル。
そのほか、日本各地にある調理師会の中には国民年金に加入することを義務付け、保険料の納付を調理師に指導している所がありますので、本人が忘れていても保険料納付期間が見つかることがあります。
このように機構の記録を訂正することによって年金額が跳ね上がることはよく有りますが、年金の額を増やす方法は他にも有ります。
例えば配偶者に支給される加給年金は、日本国籍の妻・夫には支給されないのに、日本に一度も行ったことがない米国籍・他国籍の配偶者(事実婚のパートナーを含む)には支給されるという、マコトに皮肉なしくみ。子供(養子縁組も含む)に支給される年金もあります。
ですが皆さんが年金事務所へ行かれて「妻には出ないんですか?」と尋ねても、「出ません」と一蹴されるだけです。請求する側がその支給条件を熟知して、「これコレこういう条件だから出るんじゃないですか?」と説明して初めて、もっと詳しい職員と話す機会をもつことができます。
これって日本年金機構が意地悪でやってる訳ではありません。付加的な年金の支給条件を知っている職員がいないのです。そういう知識のある職員なら、社会保険庁が日本年金機構となった2010年1月までに解雇されています。
結果、国庫のお金がアメリカに流出するのを防いでますから、やっぱりケチ(?)
さて、既に年金を受けている方の年金額をもっと上げることは私には可能です。が、実際にやってみたら新規の手続きより遥か~に面倒なことが分りました。なので今後は引き受けないことにしました。
ご自分でやったことなんだから、いま受けている年金が「妥当な額」だと思ってあきらめて下さい。「ホントはもっと貰えたはずだった」と欲深いことは考えないでね。
※ これから日本の年金を受け始めようという方で、日本・アメリカの両方の年金を1ペニーも減額されることなく、しかも非課税で受けたい方は、私まぁこまで(連絡先は右サイド)ご相談下さいませ。 これからあなたが受けとる日本の年金が「WEP減額対象の非該当」となる申請を、SSA(米国社会保障省)に対して行います。