フルリタイアメント・エイジ(今年迎える人ですと満66歳)に達したクライアントのうちお二人が愚痴っていたことがまったく同じ、しかもとんでもなく間違った解釈をしていた(!!)のが気になりました。
「ソーシャル・セキュリティ(老齢年金*)って、リタイア直前の5年間だけがカウントされるのよね~ 若くて沢山稼いでいた頃の収入はカウントされなくて、年をとって収入が少なくなってからの5年だけカウントだから、不公平だわ~ あれどうにかならないのかしら?」
「私もなのよ。 60歳過ぎてからの5年間なんて年収ちょこっとだったから、今のソーシャル・セキュリティの少ないこと・・・」
これ、間違いですから。
ソーシャル・セキュリティは35年間の月収の平均値をもとに計算されます
直近の5年だけがカウントされるわけではありません。
たとえばアメリカ在住40年、働きだしてからも40年、ソーシャル・セキュリティ税を納めた期間も40年の方がいるとします。 この方の40年の勤続年数のうち年収の高かった年から順にトップ35年がソーシャル・セキュリティの老齢年金の受給額計算の基となります。
では、61歳の時点(フルリタイアメントエイジの5年前)でアメリカで働いた期間がちょうど30年という方はどうなるのか?と言えば、もうお分かりですね? この方は61歳からのむこう5年が勝負の年、アメリカの年金の受給額を増やす最後のチャンスの5年間だということです。
私がつねづね、「リタイアする直前の数年間のタックス・リターンではケチケチ節税しようとしないで気前よく税金を払いましょう!」と言っているのは、この直近の5年間でソーシャル・セキュリティの額が大きく変わるからなのです。
ところでここで、
働いた年数は10年(40クレジット)あれば良いんだよね?
と言ってくる人が出てきますね。
いやいや、そうなんだけど、そうでもない。 確かに支給条件の10年(40クレジット)をクリアしていなければならないのは必要条件なのですが、
平均値を計算する際、分母はやはり35(年)です
10年(40クレジット)しかない方は:
420(35年)分の40(10年)クレジットx平均月収=ソーシャルセキュリティの受給額
となります。 働いた期間が長い方も短い人にも公平な、分け隔てない計算方法になってます。
さて、先ほどからよく出てくるこの「クレジット」なのですが、一体なんなの? と疑問に思われる方のために、社会保障省が配布しているフライヤーを見つけましたので、これご覧ください。
この図、いい! 分かりやすいです。 さすがバカにやさしい国。 私も納得・・・
まず左のルービック・キューブみたいな箱。 これは必要条件の40クレジット(10年)を表しています。(老齢年金*とメディケアを受けるのに必須と書かれています)
次の真ん中。 これは1クレジット期間(3カ月)中に収入が $1,300 あれば良しと。 3カ月のうち2ヶ月失業して収入がなくても、残りの1カ月の月収が $1,300 以上ならばこの期間は 1クレジットとカウントされます。
右の踏み板みたいな図は4クレジットで1年ですと伝えています。 なるほどねえ。
* Retirement Benefits は退職年金と訳されることが多い。
※ これから日本の年金を受け始めようという方で、日本・アメリカの両方の年金を1ペニーも減額されることなく、しかも非課税で受けたい方は、私まぁこまで(連絡先は右サイド)ご相談下さいませ。 これからあなたが受けとる日本の年金が「WEP減額対象の非該当」となる申請を、SSA(米国社会保障省)に対して行います。