2025年トランプ政権にかわるやいなや、敵性外国人法(Alien Enemies Act) の強行でエルサドバドル人や中南米系の人のうち特にギャングと思われる不法移民の逮捕や強制帰国あるいは収監などのニュースで毎日騒がしいこの頃です。
我々日本人はこの国においてはかなりのマイノリティなので、トランプの外国人移民の締め出し対象にはなっていないと呑気に考えておりますが、それにしても、昨年までの気軽な気分で海外に出かけられないような状況です。 私たち日本人やモト邦人であっても、合衆国出国に際しては注意が必要になってきました。
日本への一時帰国でも、数週間~数か月くらいであれば問題なく再度アメリカ合衆国へ入国できると思います。 が、日本に限らずその他の海外に連続して183日以上滞在する予定の方のために、今日は
Re-Entry Permit(再入国許可証)
についてのべておきたいと思います。
まず、USCISのオフィシャルサイトを見てみましょう。

まず初っ端からこんなこと書いてあります。
• Your Permanent Resident Card becomes technically invalid for reentry into the United States if you are absent from the United States for 1 year or more.
• Your U.S. permanent residence may be considered as abandoned for absences shorter than 1 year if you take up residence in another country.
出典:USCIS オフィシャルサイト https://www.uscis.gov/sites/default/files/USCIS/Resources/B5en.pdf
- グリーンカードはアメリカ合衆国を1年以上離れていると、テクニカリーには無効となる。
- 他国に居住していると1年に満たなくても永住権は放棄されたと見做される。
そうなんですかあ~!?
私自身が2016年(9年前)に、厚生労働省に準国家公務員という扱いで丸1年間勤務しましたことがあります。
が、サンフランシスコ国際空港の入管で何も言われず引き留められもせず、シレッとアメリカに入国できたのは、アレは何故なんでしょう?
ああ、そうだわ。その間に2度アメリカに戻ってました。 4か月に一度アメリカに入国していたためギリギリセーフだったわけです。 間が183日あいていたとしたら危ないところだったのね・・・
ということで、この Re-entry Permit もうちょっと、というより全文読んでみました。
Re-entry Permit は(アメリカから見て)海外に長く滞在していても、その後に米国に戻る意志があることを示すもので、グリーンカードを維持できるシステムです。
この Re-entry Permit ですが敢えて取得をしなくても、「国外に連続して183日以上滞在しなければ」グリーンカードは有効なままです。 USCIS の目安としては、米国外の滞在が1年を越えると「永住権を放棄した」と見なされますが、実は1年以下でも国外滞在が183日を越えると再入国になって空港の審査官の判断により永住権を取り上げられる可能性があります。
さらに注意を促したいところは、183日以内でも出入国を長期に渡って継続し、合計して米国外での長期滞在を過去5年のうち2年半以上続けると、米国での永住の意志を放棄したと見なされ、グリーンカードを失う、と書いているところ。
たとえば日本に連続して180日間滞在し、いったん米国に戻って2週間だけ滞在し、再度日本に帰って180日間滞在。 こういったことを繰り返しますと、アメリカの国際空港で入国手続きの際に審査官に「もしもし・・・」と呼び止められて永住権を失う可能性が出てくるということです。
こうならないために、日本へ永住帰国を決めたけれどもアメリカに再入国する可能性がある方においても、Re-entry Permit を申請した方がよさそうですね。
申請様式は、I-131↓です。 5枚綴りの簡単な用紙になってまして、uscis.gov からダウンロードできます。

この様式に必要事項を記入。 グリーンカードの写し(表・裏両面)とパスポートのコピー、顔写真を2枚、それと申請料 575 ドル※を添えて最寄りのUSCIS オフィスで申請します。
実際には、顔の特徴を登録するバイオメトリクス(生体認証)費用に$85がかかりますので、Re-Entry Permit の申請の諸費用の内訳と合計は下のようになります。
再入国許可証の申請費用(Form I-131)
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申請料(Form I-131):$575
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バイオメトリクス(生体認証)費用:$85(対象年齢:14歳以上79歳以下)
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合計:$660(14歳〜79歳の申請者の場合)Wikipedia+6USCIS Guide+6Citizenconcierge+6USCIS Guide+4Ashoori Law+4USA-immigrations+4
*14歳未満または80歳以上の申請者は、バイオメトリクス費用が免除されるため、合計費用は $575 となります。
米国外での滞在が2年以上必要な場合は、2年以内に米国に戻り、その滞在期間中に再度 Re-entry Permit を申請する、という手はずになります。
2度目の申請まではまた2年の Re-entry Permit を取得できますが、3回目1年の更新のみとなりますので、合計5年間は永住権を保有したままアメリカに再入国できますね。
ずっと前ですが、ほかのクライアントさんで永住帰国された方がメールで「結局、めんどくさくなってアメリカ大使館で永住権を放棄してきました」と連絡がありました。
なるほどね~ メンドクサイ・・・ 放棄したくもなります。

2025年1月5日:棚ぼた防止規定の撤廃により、あなたのソーシャル・セキュリティが減額される(?)などの心配はなくなりました。詳しくは:
をご覧ください。
