保険料を前納したい? それって良いことばかりでしょうか・・・(国民年金)1

【はじめに】

アメリカ在住でソーシャル・セキュリティ税(SSA Tax)を納めている方が、さらに国民年金保険にも任意加入している場合、日米両国の社会保障制度に2重加入していることになります。 この場合、将来または既に受けているソーシャル・セキュリティの退職年金(retirement benefits) が最大60%まで減額されます。

国民年金保険料の前納について下にまとめましたが、これはアメリカで働いたことが一度もない(クレジットが1つも無い)という方のためには有効な情報です。 

アメリカ国内でわずかでもSSA税を支払った期間があり将来アメリカの退職年金(retirement benefits)を受けようと考えている方・既に受けている方が下の記事を読まれますと不利益が生じます。

※ 両方の年金を減額されることなく満額受けたいという方は、まぁこまでご連絡ください。 (右サイド)

保険料は、1年あるいは2年まとめて前払いできるってご存知でしたか? ご存知なかった方のために、今日は国民年金保険料の前納のお話です。

国民年金保険料を2年分まとめて前納するメリットとは?

日本年金機構にしてみれば、国民年金保険料をまとめて前払いしてくれる人が増えたら助かりますよね~ まず、2年分を前払いしてくれると、その人についてはとりあえず保険料の滞納が発生しないことになります。

昨今、国民年金保険料の未納率は全体の4割前後。 滞納している人が多いです。 毎月納付より、2年まとめて1度に前納してくれる人が増えたら、機構の事務処理も楽になります。

では、納付する側のみなさんにとっては何か良いことあるんでしょうか?

「2年分前払いしてくれたら嬉しいな」と日本年金機構の職員が言ってくれるだけ?

そこはちゃんと(!)払う側にもメリットが有りますよ。 以下を見てみましょ。

保険料が安くなる、割引額は約1ヶ月分です!

国民年金の保険料を2年前納する最大のメリットといえば、やっぱり保険料の割引です。

平成31年度に前納しないで毎月現金引き落としにした場合の保険料と、1年あるいは2年前納した場合の保険料を比較してみましょう。

平成31年度の国民年金前納割引制度(現金払い 前納)について

現金払いで、1年度分を前納すると、年間3,500円、2年度分の前納なら、2年分で14,520円の割引となります。

※ 割引額は年率4%で複利計算した額です。年平均では、約1.8%の割引となります。

図にすると上のとおりなんですが、つまり:

  • 1年度分を現金払いで前納すると「3,500円」の割引
    (1年度分の保険料額196,920円が193,420円へ)
  • 2年度分(平成31年4月分から平成33年3月分)を現金払いで前納すると、14,520円の割引
    (2年度分の保険料額395,400円が380,880円へ)

「それだけ?」と思わないでね。 月に605円お得って大したことないなと思えるかもしれませんが、アメリカ在住で現在40歳の方がむこう20年間、60歳まで前納し続けたとしますと、総額で14万円5千2百円ほどお得となります。

前納した保険料は全額、社会保険料控除対象となる

これはですね~ 税金の控除対象となると、日本国内でもなんらかの収入がある方で納税義務のある人だけの話なので、在米の方にとっては、「あ、関係ないわ」と思われがちですが、そうでもないんです。

まず日本国内で納税義務があるという立場でザッと下を見ましょう。 平成31年の4月からむこう2年分の保険料を前納した場合の、年毎の社会保険料控除対象額は以下の通りです。

  • 平成31年分(平成31年1月〜12月):189,160円
  • 平成32年分(平成32年1月〜3月):47,290円

ということはですよ。 日本で納付したこの保険料控除対象額はそのまま、アメリカで税申告(TAX RETURN)する際に海外で納付した税金のクレジットとして申告できるということになります。 もちろん、納付した年に2年分をクレジットにしても良いし2年に分けても OK となります。

詳しいことはタックスをお願いしている税理士に相談しても良いですし、TAX RETURN 用のソフトウエア(H&R とか)で Foreign Tax Credit のところをクリックしますと、丁寧な説明が出てきます。

前納後に保険料が免除された場合は、払った分を還付してもらえる

これも直接、アメリカに住んでいる方には関係ないですね。

ただ、私のクライアントでこういう方いました。 夫が駐在員でアメリカに4年在住、その妻も4年在住。 その間は夫の勤め先である日本の企業の米法人が厚生年金保険に加入していますから、夫は第2号被保険者。 妻は第3号となります。

その後、夫は駐在員を辞めてアメリカの企業に就職、スポンサーを得て米国の永住権を取得しました。 妻にも永住権は与えられましたが、日本国内にいる妻の両親の介護の為に日本へ帰国。 妻だけしばらく日本在住となりました。 この際せっかくなので国民年金に加入しました。

ですが、この妻は日本で(アメリカでも)無職ですね? 収入がないので保険料の全額免除を申し出ることができます。

この妻の場合、国民年金保険に加入した際には腹をくくって保険料を2年前納したものの、後でお金が続かなくなってしまったケースです。

「既に払ってしまった、私のあの保険料はどうなるの?」という問題がでてきますね。 払い損になるの?

これって平成26年3月末までは、払い損でした。 前納した期間中に保険料の免除対象者となっても、既に払ってしまった保険料は返してもらえなかったのです。 保険料の減免が受けられるのは前納期間が終わってからというのが従来でした。

 

そんな状況を改善すべく、平成26年4月以降は、前納後に保険料免除に該当する様になった場合の保険料の取り扱いが以下の通りとなりました。

          • 法定免除の場合・・・還付または納付(納付済期間にする)の選択が可能
          • 申請免除の場合・・・還付

 

 

2年後に自分がどうなっているかなんて、特に、在米だった人が親の介護で日本に一時帰国するといった場合、先のことはほとんどわかりませんね。

なので、この払い損というパターンが無くなったのは、ホントに良いニュースです。 前納したい人は安心して、まず2年分を払うことが出来ますね。

さて次回は

国民年金の2年前納をする前に知っておきたいデメリットを紹介します。 事前に知っておけばどうという事のないものばかりです。 しっかり読んで、納得したら前納へGO!