SSA.gov 利用はしてもいいけれど・・・ ソーシャルセキュリティオフィシャルサイト

50代過ぎて、あるいはもっと若くても、自分のソーシャルセキュリティのことが気になりだしたら一度はのぞいてみたことがあると思います。

SSA.gov(米国社会保障省オフィシャルサイト)

このサイトの、とくに Retirement Benefits (日本でいうところの老齢年金)についてはじっくり読んで情報を利用するのは薦められます。

個々のソーシャルセキュリティの情報を知るには、自分のアカウントを開けて個人情報を入力しなければなりませんが、ここまでは大丈夫。 むしろ奨励します。

アカウントを開けない限り、自分の将来のソーシャルセキュリティ受給額がいくらになるのかわかりませんからね。 私もアカウントは開けてますし、年に2,3回は未来の受給額をチェックしています。

が、ここからが問題です。 実際にフルリタイアメントの年齢に達したり、それより若い年齢でソーシャルセキュリティの老齢年金を請求する際に、このオフィシャルサイト上で手続きするよりは、(旧式ですが)最寄りのソーシャル・セキュリティ・オフィスにアポイントをとって出かけられた方が賢明です。

Retirement Benefits の How to apply ページには、「老齢年金の請求手続きは、15分ほどで済みます。 わざわざ運転して、ソーシャル・セキュリティ・オフィスまで行く必要はありません」といかにも便利(!)親切そうに書かれていますが、これにひっかかってはいけません。

理由はいくつかあります。

  1. オンライン上で個人情報を安易に入力してしまった後で、少し訂正したいと思い直してもアトノマツリ、訂正は極めて困難です。
  2. 質問されている事項とそれに対応した回答が記録に残りません。 オンラインの質問に答えながら、逐一ページを印刷してみても、どこかに抜けがあり大変な作業になります。 これはスクリーンショットを残しても同じです。 正確な記録が残せません。
  3. そしてこの3つ目が一番重要なのですが、既に日本の年金を受けている方がこのオンラインを利用しても、その日本の年金の情報がSSA(社会保障省)のデータベースに載っかっているかどうか、ユーザー側からは見えません。
    日本から年金を受けている事実がSSAのデータベースに載せられているのであれば、ソーシャル・セキュリティ・オフィスに出かけ(事前にアポイントが必要)ますと、窓口の職員はSSAのワークステーションのスクリーン上でそれを確認できます。
    まっとうな職員なら、「あ~、あなたは日本からペンションをうけてますね!?」と教えてくれます。なので、そこから対処すれば良いのです。 オンラインですと、これができません。

上を書きながら、ある依頼人(もとクライアントと言った方がいいか・・・)のことを思い出しました。 実際にはその方の夫(アメリカ人)がソーシャル・セキュリティのリタイアメントの手続きをオンラインで済ませてしまったことがありました。

SSA.gov の質問の中に、「配偶者に関する質問」というのがいくつかあります。当然SSAですから、配偶者の社会保障番号はデーターベースに載っており本人が入力しなくてもあちらではわかります。 その夫は逐一スクリーンショットを撮っていなかったし印刷もしていないのでその質問が正確にはどうだったか(?)後になっては不明ですが、考えられるとしたら:

配偶者(妻)は、海外から何らかのペンションを現在受けているか?

配偶者(妻)は、海外から何らかのペンションを受ける予定があるか?

配偶者(妻)は、海外から何らかのペンションを受ける資格があるか?

のうちのどれかでしょう。

この夫は妻に確認せず、彼女は日本人だからどうせ答えはイエスなのだろうと思い、”YES” にチェックしてしまいました。

妻はすぐとなりにいるのに・・・ 後になって妻の方が私に「大丈夫ですよね?」とテキストしてきました。

大丈夫なはずがね~だろ!

当時この妻は依頼人でしたから、事務所にお越しになったときには日本の年金を受ける資格は発生していました。 将来年金を受けるかどうかは未定でしたし、もちろん当時は受けていません。

上の質問の3つの解釈のうちどれであるにしても、答えは “NO” にすべきでした。

つかなくても良いウソをついてしまったことになります。

オンラインでこういう失敗をしてしまいますと、記録はないわ、「間違って入力してしまいました」と訂正できないわ、で大変なことになります。

コンサルタントとしてそれまでの数カ月間はこの依頼人(妻の方)に時間を割き、ソーシャル・セキュリティの減額を回避するために尽力してきましたが、なんと、ほんの数分の出来事で台無しにしてしまったのです。

代理人との契約書の契約不履行の項目に「第三者(配偶者・子を含む)が当該手続きに介入した場合、~~~」とありまして、この依頼人との契約は解除されました。

どうがんばっても、この方の将来のソーシャル・セキュリティは40%減となります。